転校生は女の子でした３ (ページ7)

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朝目が覚めると、自分の部屋じゃなくて一瞬混乱した。
テーブルの上に置かれた紙に目が留まる。

【リビングにいるから起きたら
　起こしてね
　勝手に帰るのはなし！わたる】

あ・・私寝ちゃったんだ。やってしまった・・・

床に座っていたはずなのにどうやってベッドに上がったのかも覚えてない。
外はまだ暗いけど、時計の指す針は朝の４時だった。
そっとドアを開けてリビングを覗くとソファーで横になっている渉君がいた。
朝４時に起こすのもまた申し訳ない気もしたけど、ここは紙に書かれていた通りにする。

『渉君、起きて』

時間のことが気になって、大きな声は出せない。
渉君の耳元で小さな声を出しながら、肩をつんつんしてみる。

横「・・・ん、おはよ」

『あっ・・お、おはよう』

渉君が目を開けてようやく距離の近さに気づいて恥ずかしくなった。

『あのっ、ごめんね。私まさか寝ちゃうなんて・・・しかも部屋の持ち主追い出してベッド使ってるし・・・』

横「ううん。お母さんたちももうそのままにしておこうって言ってたからいいよ」

『でも、さらにこんな朝早くに起こすし・・・』

横「ん、今何時？あ、４時・・・確かに早いｗ」

『ですよね・・・ごめん』

横「ふふっ、大丈夫だって。多分もうすぐしたら親父も起きてくると思うし、そしたら親父に起こされてたって」

渉君のお母さんとお父さんが起きてくるのを、渉君の部屋で２人で待つことにした。
いくら学校の準備があるからとはいえ、泊まらせてもらったのに無断で帰るわけにはいかない。
一言挨拶をしてから帰っても十分学校には間に合う。

『でもさ、やっぱりソファーじゃあんまり寝れないよね？私その辺に放置してくれてよかったのに・・・っていうか勝手にベッドに入るなんて超図々しい・・・はぁ・・・』

横「勝手じゃないよ？床で寝てたから俺がベッドに・・」

『えぇっ！？』

横「え？」

自分で入ったのかと思ってたのに、まさか渉君が運んでくれてたなんてっ。
修学旅行のときもされて恥ずかしかったのにまたされちゃうなんてっ・・・。
いや、待って。確か人って意識ないときの方が重たくなるんだよね？！
あぁ・・・

横「あ、Aは？寝れた？」

『あ、うん。私はおかげさまでよく寝れたというか、本当に爆睡しちゃってて・・・』

横「そか、それならよかった」

恥ずかしさと申し訳なさでいっぱいの私に優しく笑いかけてくれた渉君。

なんだか渉君の隣って安心できる。不思議だな・・・