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〜北山side〜
藤ヶ谷には朝のうちに作戦を伝えた。
藤ヶ谷ももうすぐ夏休みに入るということに少し不安を感じていたらしい。
少し説得すると、すんなり了承してくれた。
放課後になり、宮田が自然によこーさんを連れ出す。
俺もニカと千賀を誘って学校を出る。
グラウンドに出たところで、2人に作戦を伝える。
千「まぁ、確かにそれが手っ取り早い」
二「でもそれ成功する?」
北「とりあえず、玉も後で合流するからさ。俺とお前らと玉の4人で二手に分かれようかなって考えてる。話めんどくさくなるからAとよこーさんにはまだ秘密な」
千「やばい、なんかわくわくしてきた」
北「尾行?」
千「うん」
二「千賀、不謹慎ー」
千「ごめん、でもやるからには真面目にするからっ」
北「よしっ!いっちょやってやるか!」
しばらく校門のそばで待っていると玉が来た。
それからしばらくして、藤ヶ谷と何も知らないAが2人で歩いてくる。
Aに見つからないように、犯人にも気づかれないように、距離を取ってあとをつけて行く。
さっきから少し気になるのは、Aと同じ制服を着た女子1人。
スマホを握りしめたまま、藤ヶ谷たちのあとをつけているようにも見える。
それは俺だけじゃなく、俺と一緒に行動していたニカも同じみたいで「あいつさっきからいるくね?」と気にし始めた。
北「でも怪しいってだけじゃ・・・。確実な証拠が取れればいいんだけど」
あとはもう藤ヶ谷がいいタイミングでアクション起こしてくれるのを待つしかない。
藤ヶ谷には帰宅途中で何度かアクションを起こしてみてとは伝えている。
あの子がそれに反応してくれれば・・・!
そう思っていたとき、女の子がスマホを藤ヶ谷たちの方に向けた。
北「今、撮ったよな?」
二「多分。仕草は撮ってる感じだったよね」
北「もう1回いくか?・・・あっ」
二「あっ、A・・・っ!」
Aが転びそうになったのを藤ヶ谷がいい感じに支えた。
それはもう見る角度によっては抱きしめてるかのように。
二「あ、あ、抱きしめ・・・」
北「お前そっちじゃなくてあの子の方見ろよな。でも今また撮ったわ。黒だな、あの子」
二「ずるい・・・」
北「はいはい。それはいいから、とりあえず行くよ」
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作者名:めいめみ | 作成日時:2016年10月12日 23時