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翌朝。
渉君と一緒に、いつもより30分ほど早めに家を出る。
昨日の夜、太ちゃんから「ちょっと寄りたいところがあるから30分早く待ち合わせしよう」と連絡があったから。
『朝からどこに寄るんだろうね』
横「俺もわかんない。終業式なんだから放課後でも十分時間あるのに・・」
『あっ、太ちゃん来た』
渉君と2人で太ちゃんが来るのを待っていると、走ってこちらに向かってくる太ちゃんの姿を見つけた。
藤「おはよ!ごめん、ごめん。ちょっと遅れちゃった」
『おはよー』
横「おはよ。俺らはいいけど、太輔は大丈夫なの?寄りたいところあるんでしょ?」
藤「んー、そうなんだけど。まぁ、このくらいなら許可範囲内」
横「そうなの?で、どこに寄るの?」
藤「まぁまぁ、行けばわかるから。さ、行こ!」
太ちゃんに言われるまま、太ちゃんの後ろをついて行く。
ついて行くんだけど、いつも学校に向かう道そのままで、もう校舎も見えてきた。
横「太輔?どっか寄るんじゃなかったの?」
『もう学校ついちゃうけど・・・』
藤「大丈夫。ちょっとね、ここに寄りたいのよ」
太ちゃんの指さす先は公園。
公園と言っても本当に規模が小さくて、遊具は何もない。
ベンチが2つと小さなグラウンドがあるだけの公園。
『公園に行くの?今から?』
横「朝から公園行って何するの?」
藤「うーん。先に謝っとくわ。勝手にいろいろしてごめん」
横「は?」
『太ちゃん?』
公園に入ると、話し声が聞こえる。
玉ちゃんに宮っち、みっくん、にかちゃんとせんちゃんもいた。
『ん、みんなもいるの?・・・あ・・・』
みんなの背中越しに見えた、見覚えのある顔。
渉君と出かけたときに、トイレで水をかけてきた女の子3人。
そしてもう1人、誰だかはわからないけど、私と同じ制服を着た女の子。
突然のことに体が動かない。
固まっていると、私の代わりに渉君が口を開いた。
横「太輔、どういうこと?ちゃんと説明して」
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作者名:めいめみ | 作成日時:2016年10月12日 23時