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次の日。
明後日からは夏休みに入るということで学校全体が浮足立っている。
今日は玉ちゃんと帰る約束をしていたから、玉ちゃんと2人で靴箱に向かう。
靴箱を開けると、久しぶりに見たあの封筒。
体に緊張が走る。
玉「A?どした?」
『・・!ん、どうもしないよ?』
玉「もうー、また写真入ってたのかなって心配になっちゃったじゃん」
『えへへ、ごめーん』
なんで玉ちゃんにこの手紙を隠してしまったのか自分でもわからない。
みんなに心配かけたくなくて、とりあえず中身を確認してからって思ったのかもしれない。
とっさに後ろに隠した手紙をこっそり鞄の中にしまった。
『帰ろっ、玉ちゃん』
朝はなかったあの手紙。
今度は何が入ってるんだろう・・・
学校を出てからの玉ちゃんとの会話も上の空で、正直あまり覚えていない。
怖いけど手紙の中身が気になってしょうがなかった。
その反面、もしかしたら全然関係のない手紙かも。ラブレターだったりするのかも。なんて気休めにもならないようなことを無理やり想像して帰った。
家に帰ってすぐに自分の部屋へ向かう。
深呼吸を何度も繰り返して手紙をを開けようとしたその時。
ピンポーン♪
インターホンの音に驚いて、思わず体がビクッとなる。
ドクンドクンと音を立てる心臓を落ち着かせながら、インターホンを鳴らした人物を確認しに行くとそこに映っていたのは渉君と太ちゃんだった。
あ・・そうだった。あとで来るって言ってたっけ・・・
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作者名:めいめみ | 作成日時:2016年10月12日 23時