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母「Aー!そろそろ失礼するわよー!」
『はーい!』
横「2時間ってとこか。お母さんたちなかなか話してたね」
『ねっ。会うの2回目なのにすごいね』
渉君と一緒にリビングに行って、改めて渉君の両親に挨拶する。
渉君のお父さんとお母さんも「また泊まりにおいで」なんて笑いながら言ってくれた。
それから2週間後。
必ず誰かと帰るようになって、特になにも起こらなくなった。
相変わらず今までの嫌がらせの犯人の手がかりはないまま。
でも視線を感じることも靴箱に写真を入れられることもなかった。
だから、私自身気が緩んでいたのかもしれない。
玉「A、ごめんっ!俺まだ残らなきゃいけなくなった・・。先生に呼ばれちゃってさぁ・・」
『大丈夫だよ!最近何もないし、そろそろ1人で行動しなくちゃなって思ってたから』
玉「え、1人で帰るってこと・・・?」
『うん』
玉「ダメダメ!絶対ダメ!1時間で終わらせるから待ってて!」
『えー?!だってもうみんな帰っちゃって暇じゃん・・1人でなにしてればいいのー?』
玉「お願いー!!1人で帰らせるなんて無理!心配じゃん」
『でも最近平和だよ?』
玉「いや、まぁそうなんだけど・・・。あ、ガヤ!ガヤがまだ残ってるかも!ちょっと待って!連絡する!」
私の意見を無視して電話をかけ始める玉ちゃん。
そんなに気使わなくて大丈夫なのにな・・・
あんまりみんなに頼って負担になりたくないし・・・
玉「A!ガヤがまだ残ってたみたい!だから今日はガヤと一緒に帰って?もう少ししたらこっち来るみたいだからさ」
『わかったよ。じゃぁ玉ちゃんは早く先生のところ行かなきゃ!怒られちゃうよ〜』
玉「あ、やばっ!じゃぁ明日は絶対俺と帰ろうね!ごめんね、送ってあげられなくて」
『大丈夫だって。ほらほら、私はちゃんと太ちゃんと帰るから心配しないで行って?』
「行きたくなーい」って駄々をこねながら教室を出る玉ちゃんを笑顔で見送った。
玉ちゃんが行って5分もしないうちに今度は太ちゃんが教室に入ってきた。
藤「ごめん、お待たせ!帰ろっか」
『ごめんね、太ちゃん。私はもう1人でも平気って言ったんだけど・・・』
藤「俺もちょうど帰る頃だったから。それにAちゃん1人で帰らせたなんてバレたら俺が怒られるってw」
『誰に?』
藤「あははっ、誰にだろねー」
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作者名:めいめみ | 作成日時:2016年10月12日 23時