５７ ページ7
あっという間に修学旅行の日がやってきた。
廊下で手澤君とすれ違うと声をかけてくれて心配してくれたけど、あれから太ちゃんのファンに何かされることもなかった。
空港へ向かうバスの中での座席は事前にホームルームで決めていた。
うちのクラスはクジで決めた。
私と玉ちゃんは実行委員ということで２人一緒に前に座っている。
ふと隣を見ると、朝が早かったからなのかバス移動の時間が長いからなのか玉ちゃんは眠っていた。
まじまじと見ることのない寝顔。
まつげが長くて白い肌で、きれいな寝顔だなぁって思う。
しかしなんで男の子ってまつげが長い子が多いんだろうって思いながら見ていたら、突然目を開けた玉ちゃんと目が合った。
『うわぁっ！！！』
玉「ん、なに？俺のこと見てたの？」
『やっ、ごめん！別に変な意味はなくてね』
玉「あはは、変な意味ってなんだよ」
『いやぁー、玉ちゃんまつげ長いなって思って・・・』
玉「そう？Aも長いじゃん」
『私は短いよー。それに玉ちゃん肌も白くてきれいでいいなぁって思ってたの。そしてらいきなり目が開くんだもん。びっくりしたぁー』
玉「Aだって肌白いよね」
玉ちゃんの手が私の頬に優しく触れて、ちょっとびっくりした。
玉「ねぇ、A」
『ん？』
玉「１０分だけ肩貸して」
『え？』
玉ちゃんの頭が遠慮がちに私の肩に乗った。
私が重たくないように全体重を預けてないことが分かる。
玉「ふふ、今だけだから。いいでしょー？」
『いや、私はいいけど・・・玉ちゃんその体勢逆にきつくならない？』
玉「へーきっ。だから１０分たったら起こしてね」
そのまま玉ちゃんは目を閉じてまた眠りについたようだった。
ちらっと玉ちゃんの方を見ると、さっきよりも顔の距離が近くて急に恥ずかしくなる。
それに話し相手がいないとだんだん私まで眠くなってきた。
いつの間にか、玉ちゃんの頭に寄り添うような形で私も眠りについてしまっていた。
私と玉ちゃんが目を覚ましたのはバスが空港について、みんなが降りたあとだった。
クラス全員に見られたのはもちろん、せんちゃんや宮っちには「なにしてるんだよー」って突っ込まれまくった。
みっくんと太ちゃんはニヤニヤして見てくるし、渉君にはなぜか髪の毛をくしゃくしゃにされた。
にかちゃんに至っては・・・
二「玉！お前ずりーって！それは！！」
玉「別に俺は何もしてないよ。Aがあとからくっついてきたんだもん」
二「はぁ！？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 46人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：めいめみ | 作成日時：2016年7月24日 23時
