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〜北山side〜
ガチャ
玄関のドアを開けたAの表情が一瞬固まった。
Aとよこーさんの間に流れる微妙な空気。
そりゃそうだよね。
俺1人だと思ってたのに、俺の後ろにはよこーさんがいるもん。
インターホンにも映らないようにしたんだもん。
北「さっき外でバッタリ会っちゃってさー」
横「ごめん、突然・・・」
『や、全然っ。上がって』
北「おっじゃましまーす!」
横「お邪魔しまーす」
『お茶、入れてくるね。私の部屋行ってて』
Aの言う通りに、先にAの部屋へ行く。
部屋に入るなり、よこーさんのため息。
北「大丈夫だって。俺に任せといてよ」
横「本当どうするつもり?」
北「まぁー、まずは逃げられない証拠を掴みたいとこなんだけど」
Aの部屋を見回す俺を、「まさか」という表情で見るよこーさん。
ちょうどAがお茶を持って部屋に入ってきた。
コンビニ袋から冷凍食品を取り出し、Aに渡す。
『なに?』
北「お腹すいたから買ってきちゃった。悪いけど、A作ってきてー」
『えぇ!?こんなに!?まぁいいけど・・・』
北「さんきゅー!さっすがAさんー!ついでにチャーハンちゃんと炒めてねぇー」
『えー?チンじゃだめなの?』
北「やーだー。ピザも焦げないようにちゃんと見張ってろよ」
『もう・・・わかったぁ。作ってくるね』
渡したのは冷凍のチャーハンに、冷凍のピザに冷凍の唐揚げ。
20分は戻ってこないだろう。
文句を言いながらAが部屋を出て行くと、すぐさま立ち上がる俺。
北「さ、始めるか」
横「・・・嘘だよね?」
北「靴箱に入ってた手紙がラブレターならよこーさんも少しはすっきりするでしょ」
横「いや、でもさすがに女の子の部屋を物色するのはまずくない?」
北「ちゃちゃっと見ちゃえばバレないって!バレたとしても言い訳は考えてある!」
横「でもやっぱりあの手紙をもう捨てちゃった可能性だってあるし」
北「もー、口ばっかりじゃなくて手を動かしてくれよー」
そう言って近くの引き出しを開けて、それらしき物がないか探していく。
この引き出しにはなさそうだな、と思っていたら最後の段にあの白い封筒が入っていた。
あの日見たのは1通だけだったと思っていたのに、引き出しの中には白い封筒は3通あった。
北「ねぇ、よこーさん。さっそく見つけた。でも3通」
横「3通?」
北「これ・・だったよな?」
横「あぁ、確かにそれっぽい。でもなんで3通も?」
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作者名:めいめみ | 作成日時:2016年7月24日 23時