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『手澤君!待って!』
ちーちゃんと一緒に手澤君を追いかけて、買い物袋を返してもらう。
『ごめんね、ありがとう』
相「ありがとうございましたっ」
手「どう?スマートに助けに入ってなかなか格好よかったでしょ?w」
わざとおどけて見せる手澤君。
優しいなぁって思う。
『あはは、そうだね。でも最後はちょっと言いすぎなんじゃ・・・』
手「えーでも真実教えてあげなきゃかわいそうじゃん?誰がどう見てもAちゃんたちの方がかわいいでしょ」
『いや、そういうことじゃなく・・・』
相「あのぅ、さっきのってやっぱり藤ヶ谷先輩のファンの人たちなんですか?」
手「だろうねー。他校でもあいつ人気あるし、Aのことも知れ渡ってるらしいし」
『え?!私?!』
手「あ、いい噂だよ?まさに姫だとか、可愛いとか。でもまぁ・・・ああいう変な人間もいるからね」
『・・・・』
手「俺の弟ね、隣町の高校通ってんだ。弟もAちゃんのこと知ってたし、なんか写真も出まわってるらしーよ。気を付けた方がいいね」
『えっ写真も?』
相「あ、確かに私も入学する前に姫先輩の写真見たことありますし、他校に出まわっていてもおかしくはないですよね・・・」
少し3人で話をして、手澤君と別れた。
ちーちゃんと家に帰ると、お父さんもお母さんも珍しくもう帰っていた。
母「ちーちゃん、いらっしゃい。あ、おつかいありがとうねー」
相「あ、お久しぶりです。今日はお邪魔します」
ちーちゃんとお母さんはすでに面識がある。
父「あぁ、きみが千草ちゃんか。いつもAがお世話になっています。今日はゆっくりしていっていいからね」
相「あっ、はい!相馬です。こちらこそいつも先輩には仲良くしてもらって・・・」
『はいはい、そんなに硬くならなくていいからー』
お父さんとは初対面のちーちゃんは緊張してる。
ちーちゃんの肩をポンッと叩いて部屋に向かう。
賑やかな夜ご飯を済ませて、それぞれお風呂にも入り、お泊り会定番のガールズトークの時間。
スーパーで買ったお菓子をつまんでいると、あの時の出来事を思い出す。
それはきっとちーちゃんも一緒でなんとなく沈黙が続いた。
沈黙を先に破ったのはちーちゃんだった。
相「姫先輩、大丈夫ですか?」
『え?』
相「いきなり知らない人に、しかもあんな敵意むき出しで向かってこられたら辛いだろうなって・・・」
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作者名:めいめみ | 作成日時:2016年7月24日 23時