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〜横尾side〜


横「A?」

下を向いてしまったAの顔を覗き込もうとしたら、勢いよく背中を向けられた。
まるで顔を見られまいとしているかのように。

『渉君!』

俺に背中を向けたままAが言う。

『私は元気だよ!だから帰ろうっ!』

横「・・・え?」

『だーかーらぁー!早く帰ろうって!ね?』

横「・・・ん。わかった、帰ろうか」

俺の少し前を早歩きで歩いて行くA。
いつもなら、俺らがAのペースに合わせてゆっくりめに歩いてるのに。

絶対なんかあったんじゃん。
俺に、いや、俺らに気づかれたくないことなのかな?
踏み込まれたくないところに誰かが入ってくる、そんなの自分だったら嫌だ。
でも、Aがもし本当になにか抱えているのなら・・・

横「ね、A。待って」

『なぁーにぃ―?』

Aは歩くのをやめない。
そんなAの後ろをついて行きながらまた話しかける。

横「明日さ、休みじゃん?Aはなにするの?」

『明日は、特に。日曜日は久しぶりに家族でご飯に行こっかーってなってるよ』

横「そっかー。じゃぁ明日、俺と出かけない?っていうか暇なら付き合ってよ」

前を歩いていたAの腕を掴むと、ようやくAが立ち止まった。

横「ほら、先月太輔の誕生日だったじゃん?プレゼント買いに行こう行こう思ってそのままだったんだよね」

『あぁ、そっか。私も太ちゃんになにかあげようって思ってたのにそのままだ・・・』

横「一緒に探しに行かない?ついでに俺観たい映画もあるんだよねー」

『映画?』

横「スタジオジブレの新作!Aもジブレ好きでしょ?」

『ジブレ!!・・・うん、行くっ!明日行こう!』

やっと笑顔で振り向いてくれたA。
何があったのかわからないけど、Aには笑っていてほしい。
ちょっと太輔の名前利用しちゃった感があるけど、普通に誘うよりもこの方がAがオッケーしてくれそうだったから仕方ない。
明日は俺が嫌なこと忘れさせてあげるんだ。

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設定タグ:キスマイ , Kis-My-Ft2 , 舞祭組   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:めいめみ | 作成日時:2016年7月24日 23時

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