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修学旅行の2日前。
ちーちゃんと一緒に帰る約束をしていたので、放課後1年の教室に迎えに行った。
教室を覗くとクラスメートと楽しそうに話しているちーちゃんの姿があった。
だいぶ周りとも馴染めたようで自分のことのように嬉しくなる。
『ちーちゃーんっ』
少し離れたところにいるちーちゃんに聞こえるようにやや大きめの声で呼ぶ。
私のことに気が付いたちーちゃんと目が合う。
一緒にいた子たちに何か話して手を振ってから、かばんを持ってこちらに向かってきた。
相「すみません、おまたせしましたっ」
『ううん。友達、もういいの?』
相「あ、はい。今日泊まりに行くこと知ってますから」
『そっか。なんだか邪魔しちゃったなーって思ったけど知ってるならいいか』
相「はい!それより先輩、ほんとうにいいんですか?修学旅行前なのに、準備とか忙しいんじゃ・・・」
『あはは、平気だよー。修学旅行だよ?明日ちゃんと準備するし大丈夫っ』
今日はお母さんもお父さんもいつもより早く帰ってこれるとのことなので、お母さんに頼まれていた夜ご飯の材料を買いにスーパーに寄る。
メモを見ながら頼まれていたものをかごに入れて、ついでにお菓子とジュースも入れておく。
相「ふふっ、姫先輩お菓子こんなに食べれます?」
『いや、だって2人分だし・・・』
相「私1つで十分ですよー」
『相変わらず小食だなぁー。でも羨ましいその細さ・・・』
相「何言ってるんですか。あれだけ食べてその細さキープできてる先輩の方が羨ましいですよ」
『でも食べすぎると肌荒れしちゃうときあるんだよ?w』
2人で買い物袋を1つずつ持ってスーパーを出ると、前から女の子2人組がやってきた。
避けようとして歩道の端を歩こうとしても前に立って通してくれないし、冷たい視線で私たちのことを見つめてくる。
『え、あのぅ・・・』
制服を着た同い年くらいであろう彼女たち。
だけどがっつり化粧をしている派手な見た目に一瞬怖気づく。
知り合い・・・って雰囲気ではないよね・・・・?
女1「ねぇ、井川さん?」
指をさされて、名前を聞いて来る彼女の視線はやっぱり冷たい。
『はぁ、そうですけど・・・』
なんで名前知ってるんだろう、やっぱり知り合いだったかな?
なんて思いながら返事をすると、話しかけてきた方に舌打ちされた。
女1「ねぇー、あんた太輔君に近寄ってどうするつもり?」
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作者名:めいめみ | 作成日時:2016年7月24日 23時