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トミーは楽しそうに私達を見ている。恥ずかしいなぁ...
『やー、もうすぐ母の日があるじゃないですか!』
カ「ん?母の日?母の日は5月ですよね?」
『5月ですよ?』
カ「5月のことはもうすぐって言わないんですよ普通は。」
『あー、お前の中の設定ではね?こっちの設定ではもうすぐだから頼むわ。』
カ「設定って何?カレンダーは設定とかじゃないんですよ!」
『ごちゃごちゃうっせぇなぁ!!こっちの時間軸は今4月末です!!』
カ「1回飲み込むことにしましょうね。」
はははっ、とトミーの笑い声が響く。恥ずかしさを飲み込んでまた口を開いた。
『やー、もうすぐ母の日があるじゃないですか!』
カ「そうですね?」
『おかんに何あげようかな〜?ってずっと考えてるんですよね。なにかいいプレゼントないですか?』
カ「なるほど、やっぱり母の日の定番は花ですよ!カーネーションあげたらいいんじゃないですか?」
『でも日々枯れゆく花を見て、ああ、私もこうやってこれから枯れていくんだなっておかん思っちゃわないかな?』
カ「そんなネガティブですか?綺麗なお花だなで終わりませんかね?」
『枯れちゃうから花はちょっと...』
カ「じゃあ枯れない花はどうですか?造花のブーケとか!」
『数年経って壁際に飾られた造花を見て、この花はずっと美しいのに私は段々と枯れて行くのね...ってならない?』
カ「ええ...じゃあ絵はどうですか?お母さんの似顔絵を書いてプレゼントするのはいいんじゃないですか?」
『私の絵のせいで、うわ...私こんな所にシワがあったんだ...とか、シミがこんなに目立ってきてんだ...とか思ってショック与えないかな?』
カ「そこは可愛く書いてくださいよ!」
『ていうかこの女は自分の絵にプレゼントする程の価値があると思ってやがるって思われない?』
カ「いやいや、お母さんにプレゼントでしょ?自分の娘にそんなこと思わないですよ!」
『思われたら怖いから他がいい』
大学の若い私達がこんなネタを考えていたの可愛いな。ネタ合わせをした20歳、深夜の公園の思い出。私にタメ口でつっこむのをビビっていたカンタが懐かしい。
カ「じゃあもう、スタバ!スタバどうですか?」
『いや、この前スタバのチケットあげたとこなんだよ』
カ「全部だめって言う!!!」
『なんでこれだ!っていうプレゼント直ぐにあげてくんないの?』
カ「ええ!?俺のせい!?」
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作者名:ぴあ | 作成日時:2023年11月13日 7時