おデートドッキリ ページ4
今日は私もカンタも昼過ぎに仕事が終わる日で特に約束してた訳では無いけどお出かけしたくなった。ということで部屋にカメラをセットしてドッキリを仕掛けることにした。内容はデート行く約束してたじゃん?というカップルYouTuberがよくやるアレ。
リビングで編集していたカンタが席を立った時にカメラを隠して自室でデート準備を始める。気合いバッチリの私がリビングに入るとカンタは私を見て何かに気付いた様子。
カ「あれ、どっか出掛けるんすか?」
『え?デート行く約束してたじゃん?』
カ「えっ?」
パソコンを閉じてくりくりの瞳で私を見つめるカンタ。何を考えてるのか口元が緩んでくる。
カ「今?今からお出かけしていいの?」
『昨日の晩に約束したよね?』
カ「あー、そうですよね?すぐ準備します!」
『編集終わった?まだなら全然別日でも...』
カ「今日の分は終わってるから行きたいです」
勢い良く立ち上がったカンタはパソコンを抱えて、7分!と叫び自室に向かった。
『5分でも10分でもなく7分なのなんでなん?笑』
カメラを三脚にセットしてその前に腰掛ける。ほんとにカンタって私ファーストだな。
『約束してないのにあの柔軟性凄いな...してたっけ?とかも言わずに行ってもいいのかっていうワードチョイスしてくれんのが可愛いんだよ。あなたの時間を自分に使ってくれるのか?っていうのを暗に伝えてくれるのが心地良いよね。』
どこ行こうかな〜と呟きながら携帯をいじってると、遠くから彼の声が聞こえる。
カ「紺のシャツと白のシャツどっち〜?」
『私今紺のパンツ履いてるよ〜!』
おっしゃ、と小さな声が聞こえる。
『紺のシャツがいいとは言わずに意地悪な言い方しちゃったんだけど、多分彼は汲み取って紺のシャツ着てくれますね。』
戻ってきたカンタはやはり紺のシャツを着てくれていて、カメラと私を交互に見る。
カ「ん?なんか動画撮ってから行きますか?」
『隣に来て』
カ「はいはい、なんでしょう?」
私の隣に腰掛けた彼はじっと私を見つめる。
『あのさ、本当はデートの約束してないんだよね。』
カ「え...じゃあ行けないですか?」
『ううん、一緒にお出かけしたかったから嘘ついた。』
カ「なにそれ笑」
『そんな約束してないよって言われるかなと思って駄々こねる予定だったんだけど、柔軟に甘やかしてもらえてびっくりしてる。』
ケラケラ笑ってる彼を見て、この人の特別が私で良かったと心底思った。
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作者名:ぴあ | 作成日時:2023年11月13日 7時