10. 金の縁取り ページ10
「ここに入るの…？」
私は今、豪華絢爛なホストクラブの前に立っている。二匹とも帰りを待っているのになんでこんな寄り道をしているんだろう。
私はそもそもの元凶となった同僚を恨めしく思い出していた。
風邪も完全に治り、犬の姿で眠りこけていた二匹にご飯だけ用意して会社に来た私に声がかかる。
「Aちゃんおはよう、風邪大丈夫やった？」
「あ、シャオちゃんだ！おはよう、大丈夫だったよ。ありがとね！」
「いやいや、俺はなんもしてへんよ」
会社の同僚で、ニット帽が特徴のシャオちゃんだった。ちゃん、と言ってもれっきとした男で、あまりにも周りに名前が覚えてもらえなかったせいで不人気なんてあだ名がついている。
正直私も本名が思い出せない。
いつものように雑談していると、思い出したようにシャオちゃんが言った。
「なあAちゃん、ホストに興味あらへん？」
「え？」
「最近できたホストクラブがあんねんけど、知り合いが店長やっとってさ、無料でいいから来て欲しいんだって」
「ええ…？ホストクラブ、かあ。」
「無料やし、俺の知り合いやから多分変なことはないと思うから行ってやってくれへん？頼むわー」
「うーん、そこまで言うなら…」
なんて、軽率に返事して、
そして今に至る。
シャオちゃんには今度なにか奢ってもらおうと心の中で決めつつ、意を決してドアを開けて中に入る。
ああ、早く帰って大天使に癒されたい。というか昨日のグルッペンのことも聞きたいし早く帰りたい。…なんて、考えていたせいで現実から気がそれていた。
「ようこそいらっしゃいました、お客様。シャオちゃんの紹介ですよね？」
かかった声に顔をあげると、眼鏡によれたスーツを着た、少し不健康そうな青年が挨拶をした。
「私はここの店長です、ただいま担当が参りますんで席についてお待ちください。」
礼を言って席につく。場慣れしていないせいでそわそわしてしまう。途端に手持ち無沙汰になり、スマホをいじっていると上から声がかかった。
「いらっしゃいませ…ご主人様？」
それは聞き慣れたバリトンボイスで、
「お待たせいたしました。」
照明をうけて美しく金髪を輝かせ、不敵な笑みを浮かべたグルッペンがそこにいた。
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身長100m - いや。普通に大好きです。結婚しましょう (2021年1月3日 14時) (
レス) id: baba500277 (このIDを非表示/違反報告)
ふぁこ(プロフ) - 頑張ってください…いつまででも待ってます (2020年3月6日 19時) (レス) id: f472df8b77 (このIDを非表示/違反報告)
兎危@ゆっ家族 - もう、うるっときちゃったじゃないですか。何ですかこの作品。最高すぎます。こんなの、評価満点以外選べないですよ。設定も、物語の進み方も、全部好きです。呪いのことやメンバーとの関係、過去についても惹かれるものばかりです。これからも応援しています (2018年5月12日 11時) (レス) id: 556657c7c7 (このIDを非表示/違反報告)
ふぃよーるど(プロフ) - ミーさん» 再びコメントありがとうございます〜！ 完全に趣味で月光を選んだのでイメージが伝わって何よりです笑 やっと仲直りです、が、だいぶ展開が遅いと思いますので期待せずお待ちください、、 (2018年4月14日 22時) (レス) id: 50cd7cd971 (このIDを非表示/違反報告)
ミー(プロフ) - 更新ありがとうございます。月光を弾くグルさん…!想像しなくても優美な感じがしますね(笑)仲直りをした主とグルさんがこれからどうなってくのか楽しみです(^-^) (2018年4月8日 17時) (携帯から) (レス) id: 750b1e0df3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふぃよーるど | 作成日時：2018年3月10日 19時
