だから、君を愛してる II (ページ34)

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知らない君がきらいページ34

知らない君がきらい

「大倉じゃん。」

ドラマの番宣が終わって局の廊下を歩いているとそう声をかけられ、振り向けば斗真くんがいた。

「一人？」

「はい、番宣やったんです。斗真くんは？」

「俺も。さっき終わったとこ。」

李々の恋人、斗真くん。

あんまり関わりがないし、少しだけ気まずい。

「もし良かったら、飯でも行かない？」

そんな斗真くんからの予想外の誘いに俺は言葉を詰まらせる。

「…あ、う、うん。」

「じゃあ、ちょっと待ってて！」

斗真くんは片手を上げて近くの楽屋に入っていく。

俺は誰にも知られないように小さくため息をついて壁にもたれる。

きっと斗真くんは俺のこと李々のメンバーとしか思ってないだろうけど、俺は違う。

ずっと前から愛してるよりも愛してる李々の恋人で、俺の手の届かないところに李々を連れていかれた人。

好きだって愛してるって言い合えて、溺れるように抱き合えて、俺の知らない李々の顔を見ていると思うと嫉妬でおかしくなりそうだ。

「…何やねん。」

どうしたって斗真くんにはなれない俺も、

斗真くんも、

俺の知らない李々も、

全部、

全部嫌いだ。

ー知らない君がきらい

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嫉妬大倉。