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「テメーに俺のっっ！？」
海里が言葉を発してすぐに、祈がその脇腹に一撃を入れる。
しかも、呪力を込めて。
(鮮やかな攻撃に慣れを感じられる……)
Aは実母の穏やかな笑顔が怖くなった。
「Aは確かに私達の娘です。でも、十六年も前に手放した子です。私達の許しは今更必要無いのでは？」
祈は笑顔だが、突き放すような言葉を言う。
Aは哀しくなって俯いた。
(やっぱり、もう私はいらない……？)
そんな発言をした祈に五条は
「望んで手放した訳では無いでしょう」
と反論する。
「未来を知る事の出来るお二人なら、望まなければAと会わない選択も取れた筈です」
今ここに居る事が娘との再会を願った結果だと、五条は言った。
(本当に……？)
望んでくれたのだろうか。
会いたいと、Aの姿を見たいと……
祈は一瞬目をパチクリとさせて、再び微笑んだ。
「悟君には敵わないわね」
その言葉が全ての答えだ。
(会いたいと願ってくれた……！)
望まれて今この時がある。
Aは静かに喜んだ。
「貴方のような愛情深い方になら、安心して……」
「ゲホッ…俺は許さねぇぞ！十六で嫁にやるなんて！！」
祈の言葉を遮り、脇腹を抱えながら海里が叫ぶ。
その言葉で、Aは五条の結婚のご挨拶発言を思い出した。
「そ…！そういえば何でいきなりそんな許可を！？」
「え？だってA、その簪を受け取ってくれたでしょ？」
慌てる恋人に五条はしれっと返す。
刻刃夫妻は
「簪！？」
「それ、悟君からだったのね！」
と叫び、片方は項垂れ、片方は大喜びする。
「えっ！？何ですかその反応！！」
Aは実の両親のリアクションで、簪には重大な意味があるのだとは感じたが、正確な答えはわからない。
「あのね、A」
嬉しさ全開の祈が教えてくれた。
「男が女に簪をあげるのは、プロポーズの意味があるのよ♡」
(やられた……！！)
Aが簪の意味を知らない為に、何時の間にかプロポーズを受けた事になってしまった。
隣の五条は、とっても良い笑顔でAを見ている。
Aが無意識だと思っていた独占欲の主張は、本人もしっかり自覚しているのだと思い知らされた。
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露里唄(プロフ) - キャッスさん» ありがとうございます。最後まで書き切れるよう頑張ります。のんびり更新なので、気長にお待ち頂けると嬉しいです。 (2022年4月10日 14時) (
レス) @page9 id: 29cf707392 (このIDを非表示/違反報告)
キャッス(プロフ) - 続き楽しみにしています！頑張って下さい！ (2022年4月10日 5時) (レス) id: c645bbf7af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：露里唄 | 作成日時：2022年3月6日 2時
