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「失礼します、硝子姉さん」
「お、どうしたのA。何か悩み？」
何事も無く迎えた放課後、Aは処置室に居る硝子に昼間の事を話した。
「…へぇ、とうとうチャンスが来たのか。良かったじゃん。あ、じゃあさ……」
硝子はデスクの引き出しから錠剤が入ったシートを出して、それをAに渡す。
「コレ、良かったら持って行って」
「まさか、コレ……」
自分から話した内容から、渡された薬に何となく察しがついたが、出来ればハズレであってほしいと思ってしまった。
「五条の馬鹿が失敗したら、寝起きに服用してね」
……予想通りの内容の薬だった。
「有難いけど！相談したいのはそれでは無くて！！」
どうやって迫れば良いのかを訊きに来た、と大声で言ってしまった。
硝子は「あ〜、そっちだったかぁ」といつも通りの冷静さだった。
「大丈夫。前にも言ったけど、五条もそう言う欲は持ってる筈だから。同じ部屋で二人きりになれば、自然とそう言う雰囲気になるから……」
「女子の会話中失礼するぞ」
硝子の言葉の途中で入って来たのは……
「学長」
「おじさま！？」
夜蛾だった。
(まさか……今の内容聞かれてた！？)
高専での保護者に対して恥ずかしくて、出来れば聞かれていない事を望む。
「Aに渡したい物があってな、探していた。コレなんだが……」
紙袋に入った何かを渡される。
「悟も用意はしているだろうが、男女の仲には必要な物だから、お前も持って行きなさい」
その言葉で、渡された物が何かわかってしまった。
「学長やる〜♪」
硝子がニヤニヤとAの赤らんだ顔を見ながら、夜蛾に賛辞を贈る。
夜蛾はAの肩に手を置いて
「悟はAに手を出すのを何処かで怖がっているからな。迫って理性を崩壊させるのは、まぁ…頑張れ」
応援して来た。
五条との仲は、夜蛾の公認になっている。
反対されるよりは認めて貰える方が有難いが……
(何でおじさまはこんなに色事に寛容なの！？)
学長として、それは如何なものだろうか。
「言っておくが、寛容なのはあくまでも二人が本気で想い合っているからだからな」
Aの思考を読むように言葉が追加された。
本気で想い合っているから寛容にする。
その言葉に、自分から五条に迫る勇気を貰えたような気がした。
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露里唄(プロフ) - キャッスさん» ありがとうございます。最後まで書き切れるよう頑張ります。のんびり更新なので、気長にお待ち頂けると嬉しいです。 (2022年4月10日 14時) (
レス) @page9 id: 29cf707392 (このIDを非表示/違反報告)
キャッス(プロフ) - 続き楽しみにしています！頑張って下さい！ (2022年4月10日 5時) (レス) id: c645bbf7af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：露里唄 | 作成日時：2022年3月6日 2時
