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「赤ちゃん産む気……今ある？」
そう言った五条に、Aはたっぷり十秒は沈黙して
「…………え？」
と返した。
(あ〜…流石にそこまでは考えて無かった感じかな)
結婚はしたもののAはまだ十六歳。
(自分の子を授かるという事はまだ先だと思っていたのかもしれない)
五条はそう考えていた。
「悟さんは、赤ちゃん欲しくないの？」
だからこう返された時、五条は一瞬呆気にとられてしまった。
「えっ？Aは欲しいの？？」
「……うん」
夫の問いに、幼妻は頬を染めて答える。
五条としても、すぐにでも子供は欲しい。
しかし、十代の体での妊娠、出産の危険性はプロポーズの時に硝子から聞かされていた。
だから夫としては、もう少し体が大人になるまで待ちたいとも思っていた。
「ずっと好きだった人と結婚したんだもの……その人との新しい家族も欲しくなるよ」
何となく、Aの声は不貞腐れている。
「でも、悟さんはお父さん達が孫を見たいっていう理由で赤ちゃん欲しいの？悟さん自身は私との赤ちゃん……欲しくないの？」
そう言われて、やっとAの気持ちに気が付いた。
実家の希望よりも、夫である五条の希望が欲しかったのだ。
(そうだ。Aは何時だって僕の気持ちを一番に考えてくれるんだよね)
そんな妻が愛しくて、五条は優しく抱き締める。
優しい抱擁に、Aも五条の複雑な心境を読み取った。
でも、やはり相手の言葉で気持ちを聞かせて欲しいから
「悟さんは私との赤ちゃん……欲しい？」
そう尋ねた。
「……欲しいよ。出来れば、今すぐにでも」
建前の無い、本音が返って来る。
相手の素直な気持ちが聞けて、Aの表情は砂糖菓子のように甘く微笑んだ。
それに誘われるように、五条はAをソファーに押し倒して唇を重ねる。
段々と深くなるそれに、二人の気持ちが昂った頃。
『〜♪お風呂が沸きました』
邪魔するように音声ガイダンスが流れた。
しかし、お互いに求める心が止まらなくて……
「……続きはお風呂に入りながら、ね」
「……はい」
場所を変えて、夫婦の甘やかな時間を過ごした。
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露里唄(プロフ) - キャッスさん» ありがとうございます。最後まで書き切れるよう頑張ります。のんびり更新なので、気長にお待ち頂けると嬉しいです。 (2022年4月10日 14時) (
レス) @page9 id: 29cf707392 (このIDを非表示/違反報告)
キャッス(プロフ) - 続き楽しみにしています！頑張って下さい！ (2022年4月10日 5時) (レス) id: c645bbf7af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：露里唄 | 作成日時：2022年3月6日 2時
