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新婦に抱き付こうとする補助監督と、それを阻止する新郎。
硝子はその攻防戦をデジカメとスマホで撮りまくってから、次に感激で泣きまくる夜蛾と、そんな彼を宥めるパンダを撮影する。
それだけでなく、ちょっかいを出していない、良心的な補助監督や術師も撮影する。
(写真だけじゃ、ちょっと物足りないかな？)
そう思い至ったら、今度は動画モードでも撮影し始めた。
因みに、今回の撮影はAからの依頼でもある。
披露宴の参加を伝えた数日後、硝子の所に来てその日の写真を撮影して欲しいと言われた。
『刻刃の両親に、皆の事を知って貰いたいんです』
年末に再会できた実の両親に、沢山の兄貴分・姉貴分に大切にされたのだと、伝えたいらしい。
『それと、ウエディングドレス姿を是非見たいと実母に言われまして……』
照れながらそう言ってきたAは、その場に旦那が居たら即隠していただろう位に、幸せいっぱいの綺麗な笑顔をしていた。
そんな大事な役目を、Aは硝子に頼んだ。
(その願い、存分に叶えてやろうじゃないか！)
しっかり者な可愛い妹分からの、なかなか無い頼み事だ。
普段は気怠げな雰囲気を持つ硝子の目が、メラメラと使命感に燃えていた。
(二人の晴れ姿とAを大事にしてきた奴等、メモリーの限界まで記録してやるんだから！)
そう心に決めて撮影に臨んだ。
その意気込みは、無類の酒好きの彼女が、祝いの席で出された酒に目もくれない程で。
それに漸く気が付いた夜蛾とパンダが
(学生時代から隙をついては呑んでいたあの硝子が、酒に意識を向けないだと！？)
(春なのに明日は台風でも来るのか！！？)
と、失礼極まりない考えに至ってしまった。
結局、硝子は最初から最後まで、酒にも食事にも一切意識を向けず、夫妻をメインに披露宴全体を撮影して過ごした。
宴も終わり頃に挨拶をしに来た夜蛾にその事を教えられた夫妻は、片方は夜蛾達と同じ事を考え、片方は
(折角良いお酒を用意したのに…悪い事しちゃったな)
と思い、レストランの人に頼んで食事と酒のテイクアウトを硝子に持たせるようにした。
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露里唄(プロフ) - キャッスさん» ありがとうございます。最後まで書き切れるよう頑張ります。のんびり更新なので、気長にお待ち頂けると嬉しいです。 (2022年4月10日 14時) (
レス) @page9 id: 29cf707392 (このIDを非表示/違反報告)
キャッス(プロフ) - 続き楽しみにしています！頑張って下さい！ (2022年4月10日 5時) (レス) id: c645bbf7af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：露里唄 | 作成日時：2022年3月6日 2時
