136 ページ36
拍手と歓声を浴びながら五条夫妻はホールに入る。
五条は白のタキシード、Aは純白のウェディングドレス姿。
そしてAの手には夜蛾から贈られたブーケが持たれている。
「あ〜、あれが学長があげたブーケですか。学長が作ったんですか？」
硝子と夜蛾は同じ席なので会話がしやすい。
だから質問したのだが……
「ねっ、どでっ……っみっづっ……ぞ、かしょ……っくに………いらっ……じ、だ！！」
「すみません、何を言いたいのかよくわかりません」
感動の余り泣きながら喋る言葉は、嗚咽が強くて内容が理解出来ない。
きっと、サングラスの内側は涙が溜まっているだろう。
回答を諦めた所に、夜蛾の背中をさすりながらパンダが訳してくれた。
「ネットで見付けた造花職人に依頼して作って貰ったんだと」
「よくわかったな」
「まぁ、まさみちは俺の親父だからな」
パンダは夜蛾と連名で招待された。
(カードに『夜蛾正道様・パンダ様』と馬鹿正直に書いてあったのには笑えたな)
あの二人にとって、夜蛾とパンダはセット扱いなのだろう。
夫妻が挨拶と結婚の報告をして披露宴が始まった。
「五条さん、Aちゃん、おめでとうございます！」
「幼妻だなんて、何だか魅力的な響きですね」
主役達の席に、次々と祝いの言葉を述べに人が集まっていく。
中には
「Aちゃ〜ん、ドレス似合う〜！」
と言いながらAに抱き付こうとする不埒者もいるにはいた。
しかし、そこは夫の五条悟。
先に自分が抱き寄せて無下限呪術で触れないようにガードする。
「悟の奴、独占欲剥き出しだな」
流石のパンダも呆れている。
「まぁ、Aも満更でもない様子だから良いんじゃない？」
五条の腕の中の花嫁は、恥ずかしがりながらも夫にしがみついている。
無限で防がれているのに、それでもAに抱き付こうとする人は絶えない。
寧ろ、絶対に抱き付いてやろうと闘志を燃やして押し合いになり始めた。
夫妻を中心に、変な姿勢で動きが止まっている姿が面白い。
(何だか、風変わりな余興みたいになってきたな)
そう思った硝子は、持参したデジカメとスマホを取り出す。
二つのカメラを駆使して、主役達と招待客を次々に撮影し始めた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 82人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
露里唄(プロフ) - キャッスさん» ありがとうございます。最後まで書き切れるよう頑張ります。のんびり更新なので、気長にお待ち頂けると嬉しいです。 (2022年4月10日 14時) (
レス) @page9 id: 29cf707392 (このIDを非表示/違反報告)
キャッス(プロフ) - 続き楽しみにしています！頑張って下さい！ (2022年4月10日 5時) (レス) id: c645bbf7af (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：露里唄 | 作成日時：2022年3月6日 2時
