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五条夫妻の結婚式が行われている頃の高専。
そこは大分賑やかになっていた。
理由は夫妻に縁の深い人達に届けられた便箋入りのカード。
それは二人が入籍した事の報告と、披露宴を催す事が書かれたグリーティングカードだった。
Aを妹のように可愛がっていた人達は彼女の早過ぎる結婚に驚きつつも
「まあ、相手が五条さんだしなぁ……」
と納得もしていた。
刻刃の反逆者の一件で、彼女の五条家養女説は確定のものになっていたし、何より
「五条さんのAちゃんを見る目は、何時からか好きな女性を見るそれになってたもんな」
それに気が付いていたから、納得しかなかった。
皆、自分の予定と照らし合わせて行けるか行けないかと言い合っている。
「これ、A君を取り込みたかった上層部や他家からしたら、悔しい事この上ないでしょうね」
処置室で、夜蛾と硝子に挟まれながらお茶を飲んでいる伊地知はそんな感想を言う。
勿論、この三人もカードを受け取っている。
「Aから好きな男を引き離すなら、私はそいつ等をバラすよ」
硝子はAが大切で、五条の事も一応仲間として大切なので、二人の味方をする。
「結婚は早かったと思うが、悟の事だ。彼女が出自を知るのがもっと先だったとしても、結果は同じだったと思うぞ」
あいつは案外せっかちだからな。
そう言いながら夜蛾も湯呑みに口を付ける。
その言葉に
「よく言いますよ」
硝子は呆れた声を出す。
「二人が両想いになってすぐにブーケ渡しておいて」
Aから聞き出したネタを振る。
「学長は絶対、青い薔薇の最近の花言葉を知っていますよね？」
硝子のその一言に、夜蛾はフッと口角を上げる。
昔と今で意味を変えた青い薔薇。
まるで五条夫妻の為にあるような花だ。
「私達皆のA君が恋をする年頃になって、好きな人に嫁げる位の時間が、もう経ってしまっていたんですね…」
伊地知は自分が高専に入ってからのAを思い出す。
(荒れていた五条さんを真っ直ぐ見て、全てを受け入れていた……)
優しくて、一途な女の子。
(その幸せを見届け、見守り続けたい)
そう思いながら返送葉書の『五条悟・A行』の『行』の上から、赤い字で『寿』と書いた。
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露里唄(プロフ) - キャッスさん» ありがとうございます。最後まで書き切れるよう頑張ります。のんびり更新なので、気長にお待ち頂けると嬉しいです。 (2022年4月10日 14時) (
レス) @page9 id: 29cf707392 (このIDを非表示/違反報告)
キャッス(プロフ) - 続き楽しみにしています！頑張って下さい！ (2022年4月10日 5時) (レス) id: c645bbf7af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：露里唄 | 作成日時：2022年3月6日 2時
