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五条とAが入籍した二日後。
「白無垢に文金高島田！！」
「色打掛に洋髪！！」
処置室にて、二人は大声で夫婦喧嘩をしていた。
(珍しい事もあるもんだな)
その場面に居合わせた硝子は、そんな事を思いながらコーヒーを飲む。
五条とAは兄妹だった時から喧嘩らしい喧嘩はしていなかった。
Aが幼い頃は五条がAを守り、夏油の離反後はAが五条の心を支えてきた。
時にはお互いを心配して言い合いになる事もあったが、最終的にはAが折れるのが普通だった。
(それが今回はどうだ)
「白無垢は伝統文化だよ！」
「普段伝統を重んじないのに、こういう時だけ尤もらしく言わないで！」
かれこれ二時間、二人は自分の意見を一歩も譲らない。
事の発端は二時間程前。
Aが任務を終えて、硝子とお茶をしていた時だった。
五条が身内だけの結婚式の衣装の話を持って来た事で始まった。
「神前式だから、やっぱり白無垢だよね〜♡Aは角隠しと綿帽子どっちが良い？」
衣装のパンフレットを見ながら新妻の花嫁姿を想像して、五条は幸せな笑みを浮かべる。
しかし、Aは五条とは違う意見を持っていたらしい。
五条が用意した沢山のパンフレットを見ながら
「私は…色打掛で洋髪にしたいな」
そう言った。
そして二時間。
五条は白無垢と文金高島田、Aは色打掛に洋髪の婚礼衣装戦争が続いている。
最初はもっと落ち着いて話していた二人。
段々とヒートアップして、今は二人共大声でぎゃいぎゃいと言い争っている。
患者が居なくて良かったと、硝子は密かに思う。
(五条は兎も角、Aがここまで譲らないのは本当に珍しいな)
硝子の知る限り、初めての事だ。
折れる気配が全く感じられない。
(しかし……やはりAはAというべきかな)
喧嘩しながらも五条の喉を心配して紅茶を淹れ、角砂糖を二つとミルクを加えて五条に差し出す。
こんなにも五条を想っている少女が自分の意見を譲らないのだ。
何かしら理由があるのだろう。
硝子はコーヒーの入ったティーカップをソーサーに置く。
(傍観するのも流石に飽きてきたし……)
事態を収束すべく、口を挟む事にした。
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露里唄(プロフ) - キャッスさん» ありがとうございます。最後まで書き切れるよう頑張ります。のんびり更新なので、気長にお待ち頂けると嬉しいです。 (2022年4月10日 14時) (
レス) @page9 id: 29cf707392 (このIDを非表示/違反報告)
キャッス(プロフ) - 続き楽しみにしています！頑張って下さい！ (2022年4月10日 5時) (レス) id: c645bbf7af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：露里唄 | 作成日時：2022年3月6日 2時
