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旅行中のイチャイチャ話が粗方終わった頃。
「たっだいま〜！A居る〜？」
五条が帰って来た。
教室に居なかったから、処置室に探しに来たのだろう。
「さ……悟さぁぁん！！」
五条の姿を見たAは、涙をポロポロ流しながらその広い胸に抱きついた。
「え？どうしたの？何で泣いてるの？？」
涙を流す恋人に困惑しながら、五条は硝子とパンダを見る。
一人と一匹はニヤニヤしながらこちらを見ている。
その視線で何となく察した。
「悟がAに手を出した話を聞いてたんだよな〜」
「Aから誘惑したとか？案外大胆な事するよね〜」
(……成程ね)
Aにとって恥ずか死ぬレベルの話題を聞き出されたのか。
(でも誘惑に負けたのは僕だし)
それで今からやろうとしている事を決心する事も出来た。
「A」
涙を指で拭いながら、五条は優しい声を出す。
「僕と結婚してください」
そう言いながら、Aの左手薬指に指輪をはめる。
「これからは夫婦として一緒に生きて行きたい」
Aは指輪と五条を交互に見る。
二度目の、そして正式なプロポーズ。
(あ……悟さん凄く緊張してる)
ポーカーフェイスだが、Aには通用しない。
十六歳の自分に結婚は早過ぎる。
(でも、もうこれ以上好きになれる人もきっと居ない)
ずっと好きだった人で、これからも恋しいと想い続けられる人。
「不束な女ですが、よろしくお願い致します」
五条のプロポーズを、Aは迷わず受けた。
その返事に、寧ろ五条が狼狽えた。
「え、良いの！？だってAから青春を奪う事になるんだよ！？」
若人から青春を奪ってはならない。
五条の信条は知っている。
「でも、その信条を曲げてでも求めてくれたんでしょ？」
それが理解出来るからこそ、プロポーズを口にした覚悟も推し量れる。
「そこまでしてもらえて、断る理由は無いわ」
少女の言葉に、五条は嬉しそうに笑う。
「ありがとう」
万感の思いでそう言う。
「婚姻届や本籍の書類とか、色々用意しないとね」
Aがそう言うと
「……一応、OK貰えた時の為に用意してある」
そんな言葉が返って来た。
(でしょうね。やっぱりそこは悟さんよね〜)
突然の求婚劇に硝子とパンダは暫し呆然としたが、理解が追い付いたら祝辞を述べた。
そしてこの瞬間、海里と五条のA争奪戦に決着がついた。
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露里唄(プロフ) - キャッスさん» ありがとうございます。最後まで書き切れるよう頑張ります。のんびり更新なので、気長にお待ち頂けると嬉しいです。 (2022年4月10日 14時) (
レス) @page9 id: 29cf707392 (このIDを非表示/違反報告)
キャッス(プロフ) - 続き楽しみにしています！頑張って下さい！ (2022年4月10日 5時) (レス) id: c645bbf7af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：露里唄 | 作成日時：2022年3月6日 2時
