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観光の最初は前回も行った足湯から。
着込んでいたが、此処まで来るのに冷えてしまった為、足を入れた瞬間はとても気持ちよかった。
やはり、十分も浸かっていると体が温かくなって…
Aは穏やかな心地で五条の肩に頭を預けた。
「眠い？」
恋人の優しい低音の声が耳に心地良く響く。
「ううん、違うの」
体はまだ少し怠いが、眠い訳では無い。
「大好きな人と穏やかな時間が過ごせて幸せだな〜って思ったら、少し甘えたくなっちゃった」
五条だけに聞こえる程の小さな声で心の内を晒した。
それを聞いた瞬間
(ヤバい、可愛い……キスしたい！)
五条の欲が刺激された。
しかし此処は公共の場所で、自分達以外にも多くの客が居る。
(そんな所でキスしたらAの事だから、恥ずかしがって裸足で逃げ出しかねない)
半年前の鬼ごっこでは、高専で多大な被害を出した。
一般人なら更に甚大になるだろう。
(正直被害はどうでもいいけど、Aの心の平穏の為に……！)
五条は自分の欲を、夜まで我慢するように言い聞かせた。
足湯の後、街中を散歩したり夜蛾達のお土産を下見している内に、時刻は昼時。
二人は『ときのはや』を訪れた。
甘味を食べるのも勿論あるが、刻刃夫妻と話をするのが一番の目的だ。
扉を開けて中に入ると……
「五条様、Aお嬢様、御婚約おめでとうございます！！」
大勢の人から御祝いの言葉が贈られた。
「婚約って……」
「私達が？」
混乱している二人に、祈は一枚のFAX用紙を渡す。
それに書かれた文字は五条の両親のものだった。
『二人共、誕生日おめでとう。海里達と婚約の話はついたから、都合の良い時に籍を入れなさい。早く孫の顔が見たいから、個人的にはすぐにでも入籍してくれ。 父』
『A、誕生日、そして婚約おめでとう！孫も楽しみに待ってるわ♡悟、刻刃家・五条家にとって可愛くて大切な娘をよろしくね。 母』
「昨日二人が宿に戻ってから五条家と連絡取って、サクッと婚約成立しました♡」
おめでとう、と祈も祝う。
Aは呆気にとられてしまった。
(昨日、将来的な結婚の許しを貰ったばかりなのに、今日には婚約成立でいつでも入籍OKって……)
祈の後ろの海里を見る。
結婚の挨拶に最初渋っていただけあって、娘の婚約に悔しさの男泣きをしていた。
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露里唄(プロフ) - キャッスさん» ありがとうございます。最後まで書き切れるよう頑張ります。のんびり更新なので、気長にお待ち頂けると嬉しいです。 (2022年4月10日 14時) (
レス) @page9 id: 29cf707392 (このIDを非表示/違反報告)
キャッス(プロフ) - 続き楽しみにしています！頑張って下さい！ (2022年4月10日 5時) (レス) id: c645bbf7af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：露里唄 | 作成日時：2022年3月6日 2時
