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結局、旅行は一泊二日で終わってしまった。
海里が
「反逆者がいつ襲って来るかわからねぇ。なるべく早く安全な所に身を隠せ」
と言ったので。
ただ海里も、折角の旅行に水を差した事を悪いと思ったのか、大量のお土産を持たせてくれた。
湯の花、小豆・白餡・黄身餡の三色大福、他にも手では持ちきれない程に。
「嬢ちゃん、これは覚えておけ」
お土産を手渡しながら、海里はAに言った。
「刻之廻手の術師が別の時間の呪霊を祓っても、時間からのペナルティーは無い。だが万一、他の術師が祓った場合、最悪その術師の存在が消える」
それを聞いて、二ヶ月前の栃木の任務を思い出した。
行方不明になった術師。
自分に向けられた年代物に見えた刃物の攻撃。
恐らく、反逆者が力量を見る為に、自分以外にもあそこに来た術師に時間を超えて来た呪霊を差し向けたのだろう。
そして、時間のペナルティーを受けて消滅した。
(私が居なかったら、兄さんも同じ目に遭ったかも知れない)
あの時の任務の担当が自分で良かったと、心から思った。
五条が電話で夜蛾に車の手配を頼んでいる間に、Aは祈と共に旅館側に、途中キャンセルの手続きと謝罪の挨拶をした。
祈が呪術という所をぼかしつつ、大まかな事情を説明してくれたお陰で、対応してくれた女将さんも五条とAには同情的だった。
「事態が落ち着いたらまたいらして下さいね。その時は目一杯おもてなしさせて下さい」
女将さんの優しさに、何故だか涙が出そうだった。
帰りの車の中。
Aは窓に頭を付けてボンヤリ考えていた。
五条家と刻刃家、二つの家と自分の繋がりについて。
答えが出る訳でも無いのに、同じ考えをグルグル回っている。
そっと、隣でやはり考え事をしているのであろう五条を見る。
兄に訊けば、自分が五条家の実子か否かはわかる。
その位の年の差がある。
(実子なら今までと同じ)
物分りの良い妹でいられる。
(でも、養子なら……)
どうすれば良いだろう？
(気持ちを隠すべき？関係性が壊れるのを覚悟で恋心を伝えるべき？)
気持ちを伝えたい。
でも関係性を壊したくない。
どうしようもない思いで、またしてもグルグル考えが回ってしまうのだった。
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露里唄(プロフ) - レスの仕方もマトモに解っていなくて失礼しました。亀更新且つ機械オンチですが、温かく見守ってやって下さいm(__)m (2021年12月19日 22時) (
レス) id: d03abcb996 (このIDを非表示/違反報告)
露里唄(プロフ) - プスメラウィッチさん» コメント有難うございます！思わずスクショしました（笑）この作品は五条オチを予定しています。良かったら、五条兄妹や周囲へのツッコミ等のコメントもお願いします。 (2021年12月19日 22時) (レス) id: d03abcb996 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 露里唄さん初めまして、この小説は五条悟オチですか？できれば五条悟オチでお願い出来ますか？続き頑張ってください。応援しています。 (2021年12月19日 20時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：露里唄 | 作成日時：2021年10月13日 19時
