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五条との再会を存分に味わってから。
Aは海里と祈に反逆者を引き渡した。
「これが……アイツなのか…！？」
男は時間の進行の術式により、骨が浮き出る程にガリガリに痩せた老人になっていて、A以外皆驚いていた。
金色の巻き髪が、反逆者の唯一の名残だった。
「はい。私の術式でこの人の時間を進めました」
軽く見積もっても、五十年分位は老いた男を見ながら、この部屋で起こった事を説明した。
話を聞いた刻刃の二人は目を見開いた。
「時間をこれだけ操れる術師は、今の刻刃家にも居ないわ…！」
「恐らく、昔の最高術師と並ぶ使い手だな」
刻刃の人間でないのが不思議だと言われた。
本当はしっかり刻刃の人間なのだが、二人の知らない事なので言わないでおく。
「この人の処遇はお任せします」
Aは五条の顔を見る。
「……良いよね？」
「良いよ」
五条はAを取り戻せれば充分で、男を自分の手で始末したいとは思っていない。
もしAの身に何かあったら話は別だが。
「コイツの始末は任せるよ」
無事に取り戻した今、ここは海里達に譲る。
海里は男を少しの間黙って見てから
「……嬢ちゃん、この紐解いてもらっても良いか？」
そう言ってきた。
逃げるだけの力も無いのは見るだけでもわかるので、Aはその頼みを承諾した。
拘束している組み紐を解く。
結構きつく縛ったので、少々時間がかかってしまった。
「随分しっかり縛ったね」
五条の声に少しの呆れを感じた。
「念には念をでやったからね」
やっと解いて組み紐を仕舞った時、男がAの顔をじっと見ていた。
「似ている……」
ポツリと、誰にも聞こえない声で呟いた。
(祈に似ている)
男は望みが絶たれて漸く、自分が見付けた術師をしっかり見た。
そして、祈に似ている事に気付いた。
パッと見の色素の薄さで、印象が異なっていたから今まで気付けなかった。
(そして、その瞳の色は……)
男は少女が何者であるのかを悟った。
自分の時間で少し前。
野望の妨げになると感じて焼き払った刻刃家。
その家の、最後の一人。
(良かった……)
一族を焼き払って、婚約者を失ったのと同じ喪失感を味わった。
(でもここに、この子がいる)
刻刃家としての男の誇りを、この少女がギリギリの所で呼び戻してくれた。
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露里唄(プロフ) - レスの仕方もマトモに解っていなくて失礼しました。亀更新且つ機械オンチですが、温かく見守ってやって下さいm(__)m (2021年12月19日 22時) (
レス) id: d03abcb996 (このIDを非表示/違反報告)
露里唄(プロフ) - プスメラウィッチさん» コメント有難うございます！思わずスクショしました（笑）この作品は五条オチを予定しています。良かったら、五条兄妹や周囲へのツッコミ等のコメントもお願いします。 (2021年12月19日 22時) (レス) id: d03abcb996 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 露里唄さん初めまして、この小説は五条悟オチですか？できれば五条悟オチでお願い出来ますか？続き頑張ってください。応援しています。 (2021年12月19日 20時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：露里唄 | 作成日時：2021年10月13日 19時
