青春の１ページ。T×F

20ページ目 ページ21

裕太は本当に怒ることはなかった


学校でも家でも相変わらず明るくて




太輔が話しかけても間に裕太が入る感じだった




これはしょうがないよ、彼氏からしてみれば二人になんてできないもんね






私は裕太に合う彼女になるために努力をした。



そして、太輔を忘れる努力をした。






─…






暑い季節がきて、すっかり日の落ちる時間もゆっくりになったころ



玉森「ねぇねぇ、夏祭りさ、浴衣できて？」


「えー？何でよ、めんどくさい」


玉森「いーじゃん！お願いっねっ？」




手を合わせて必死にお願いする裕太




「そもそも浴衣なんて持ってないし」


玉森「……そうだ！俺のお母さんなら持ってるかも！」




今日俺んち来て聞いてみよ！とニコニコしながら私を見た




……こんな笑顔で言われたら、ね



「……しょーがない、行ってやるか」



玉森「やったー！ありがとっ」





太輔は相変わらずのチャラ男っぷりでデートは順番待ちらしい。



きっと夏祭りも争奪戦だろうな、






・





・






放課後手を引かれやってきた玉森家。



最近は頻繁に来てるからゆうこさんも嬉しそうに招き入れてくれた




ゆうこ「いらっしゃい！あがってあがってー」



いつ見ても綺麗なゆうこさん。


裕太が浴衣の話をするとすぐに出してくれる



ゆうこ「ずいぶん前のだけど、これなんてどう？」



「かわいい…」




白地に大きな花柄で上品だけど可愛いさもあるすごく素敵な浴衣




「でも、いいんですか？」



ゆうこ「いーのいーの！Aちゃんの方が似合ってるもの」



遠慮しないで、とゆうこさんから浴衣をいただいて家に帰った





・






「夏祭りは重大イベントの1つ…」



雑誌にかいてあるカップルにとって大事なイベントについて

バレンタイン、誕生日、クリスマス、夏祭り…





“3秒見つめられたらキスの合図！”




キス、ねぇ…



ポフ、とベッドに倒れ込めばキスした時のことが頭に浮かんでくる





「回数、少ない方だよね」



たぶん今時のカップルって2日に１回くらいはキスするんじゃないの？


裕太とは部屋に遊びに行ったときくらいだから1週間に１回くらいか……





ちょっと、心配になる





私のこと嫌いなのかな、とか


変な妄想がまとわりついてさらに心配になってくる




ちゃんと裕太と向き合いたくて


夏祭りのときは私から見つめてみようかななんて考えた

21ページ目→←19ページ目

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す