夏と君 ut ページ27
先日、彼女が亡くなった
人望のあったAの葬式では、たくさんの人が彼女の為に涙を流していた
勿論、僕もその中の一人だったわけだが。
彼女が嫌だと嫌だと言うからしょうがなくやめたタバコも、現在ではポケットの中に常に入っている
今はタバコが生きがい、吸っていないとやってられない
彼女を失った僕には、もう生きている意味すらない
葬式が終わり、暇を持て余していたので
夜の街に繰り出し、タバコをふかしながらどの店に入るか迷っていた
｢ねぇねぇ、お兄さん。どこからきたの？｣
聞き覚えのある声にはッと振り向き、声をかけてきたであろう女をみる
昔の、Aそっくりな女。
｢私ね、貴方と一緒にここから逃げないといけない気がするの。一緒に逃げてはくれないかな？｣
Aが生きていた時のように、にへらと笑う彼女。
ぐっと女の腕を掴み、夜の街から抜け出した
無我夢中になって走った、これがもし夢だとしても伝えたい事がある
暗い闇に消えてしまわぬ前に言いたい事がたくさんある
どれだけ走ったか分からない、それくらい必死だった
これが、本当に彼女なのかどうなのかも分からないのに。
｢待って待って、速いよもー。私、持病あるからバテちゃうってば。｣
肩で息をしている彼女をみて、立ち止まる
持病があるというところまで同じというのか。
もはや彼女としか考えられない
｢…あのさ、いきなりなんやけど名前なんて言うん？｣
ごくりと唾をのむ、これでもし…もし彼女だったなら
彼女は、汗をかいたのか襟元をぱたぱたとあおぎながら答えた
｢え？私？Aって言うの、それがどうしたのお兄さん？｣
彼女は彼女だった
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うぉっしゅ蜜柑(プロフ) - ウケさん» コメントありがとうございます(´ｰ｀)褒めて頂き、嬉しい限りです！更新頑張らせて頂きます！ (2017年7月3日 21時) (
レス) id: eaa142400f (このIDを非表示/違反報告)
ウケ - いつも更新楽しみにしてます！どの話も素敵で･･･更新頑張って下さい！ (2017年7月3日 18時) (レス) id: 8c0ab5ece7 (このIDを非表示/違反報告)
うぉっしゅ蜜柑(プロフ) - たかちんさん» コメントありがとうございます(´ｰ｀)応援して下さっているなんて感謝感激です！今後とも精進するので、よろしくお願いします！ (2017年6月12日 17時) (レス) id: eaa142400f (このIDを非表示/違反報告)
たかちん(プロフ) - いつも応援してます！更新楽しみに待ってました(^o^)トントンの小説わくわくしながら待ってます！！ (2017年6月12日 16時) (レス) id: d1b7bc89b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うぉっしゅ蜜柑 | 作成日時：2017年5月20日 2時
