ブルーグレーウイング 2 ページ10
「あれから、元気にしていたか？」リヴァイは、静かな声で話しかけた。
「はい、あの時はありがとうございました。足も治りました。あの時約束した通り、強く生きています」Aは笑顔で答えた。あの日下ろしていた髪は、今日はきちんとひとつに束ねていた。
「強く生きている…か。悪くない」生き生きとしているAの笑顔に、リヴァイは苦笑した。
リヴァイはAの手のひらに乗せられた羽に視線を落とした。
「その羽を随分熱心に眺めていたようだが、それは何だ？」不思議そうにそう聞いた。
「これは、さっき頂いたものです。男の子がくれました」
「ほう、なかなか珍しい色だ」
Aは、ブルーグレーの羽を持ち上げると、リヴァイの胸の、自由の翼のエンブレムにある同じ色の翼に向きを合わせた。
「同じ、ですね」少し恥ずかしさに頬を染めながら、小さい声で言ってみた。あの夜と同じく、とてもドキドキしていた。
「ああ、似てるかもしれねぇな。面白いことを考えやがる」仕方ねぇなというように、また苦笑した。
突然、ぽつりぽつりと音がして、雨が降り始めた。いつの間にか雲が立ち込めていた。いつもの夕立だ。やがて本降りになり、通りを歩く人々が足早に走り去る。
「チッ 降ってきやがった」と言うリヴァイに、Aは、こちらへどうぞ、と店の中へ入るように促した。リヴァイは肩の水を払いながら、こちらにやって来た。
Aがいつも座っている椅子の横に、もう一脚椅子があった。その椅子には、畳まれた白いハンカチが置かれていた。Aは、さっとハンカチをどけると「この椅子を使ってください」と言った。
「すまねぇ、雨が止むまで休ませてもらう」リヴァイはそう言って、椅子に腰掛けた。
「椅子、持ってきておいて良かったです」Aは何日か前に、家にあった椅子をひとつ、荷車に乗せて来ていたのだ。そして、朝店に来ると、綺麗に洗濯したあの夜のハンカチを畳んで置いておく、というのを何日か繰り返していた。
「俺が来ると思ったってわけか？」
「来ないと思っていました。きっと忙しいだろうなと思って。だから強く願っていたんです。椅子に、お借りしたハンカチを置いて…あなたに会えるといいなと…そう思って。」みるみる顔が真っ赤になり、心臓の音がリヴァイに聞こえてしまいそうだった。
「そうか。確かにあれから忙しかった。これを返さなきゃならねぇとは思っていたんだが」リヴァイは借りていたランタンをAに渡した。
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ちか(プロフ) - (*´∇｀)さん» 初めまして。読んでいただき、ありがとうございます。面白いと言っていただけて、大変嬉しいです。ゆっくり更新になりますが、頑張ります(^^♪ (2018年8月5日 7時) (
レス) id: d18ebea9c2 (このIDを非表示/違反報告)
(*´∇｀) - とても面白いです！更新楽しみにしてます！ (2018年8月5日 0時) (レス) id: 737145386d (このIDを非表示/違反報告)
ちか(プロフ) - 琴さん» ありがとうございます！ (2018年7月27日 13時) (レス) id: 0d180ac097 (このIDを非表示/違反報告)
琴 - ちかさん» 更新楽しみに待ってます(^｡^)頑張ってください！ (2018年7月27日 8時) (レス) id: 8f97a39ef4 (このIDを非表示/違反報告)
ちか(プロフ) - 琴さん» 初めまして。読んでいただき、ありがとうございます！私自身、ときめきたくて書いているので、そう言っていただけると、とても励みになります。のんびり更新ですが、これからもよろしくお願いします(*ﾟ▽ﾟ)ﾉ (2018年7月26日 20時) (レス) id: 0d180ac097 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ch | 作成日時：2018年2月28日 18時
