大切な人 2 ページ39
「さあ、紅茶が冷めないうちに、どうぞ」
マリアおばさんに勧められて、私たちは紅茶をいただいた。
「ほう、悪くない。紅茶は好きだ」
リヴァイがぼそりと呟いた。
「あら、それじゃあ良かったわ」
マリアおばさんは満足そうに笑顔でそう言った。
「とてもいい香りですね」
「私の知り合いが、紅茶の葉を作ってるんだ。この間たくさん頂いたんだよ」
カルロスおじさんは得意げに言った。
Aは紅茶をまたひと口飲むと、話を切り出した。
「今日は、お話したいことがありまして。実は、こちらで頂いていたオレンジ売りのお仕事を続けられなくなりました。私…」
そう言って、Aはそっとリヴァイの顔を見た。
その後を、リヴァイが続ける。
「俺は、Aと一緒に暮らすことにした。天涯孤独だったが、こいつと共に生きたいと思った。こいつを守ってやりたいと思う。ふたりで兵団の俺の部屋に住むつもりだ。そばに置かねぇと、守ってやれねぇしな」
「だからオレンジのお店、続けられなくなりました…今までお世話になりました」
「そうだったの…残念だけど、仕方が無いわね」
マリアおばさんは少し寂しそうに言った。
「あなた達には、感謝している。Aにオレンジ売りの仕事を与えてくれたことだ。こいつがオレンジを売っていなければ、ドジをしてオレンジをばら撒くことも無かったし、俺が助けることもなく…出逢うことも無かった」
リヴァイはそう言って、紅茶を飲んだ。
「俺たちの作ったオレンジが、Aちゃんに素敵な出会いをもたらしたんだなぁ。良かったじゃないか」
カルロスおじさんは、嬉しそうにそう言った。
「そうね、素敵だわ。寂しくなるけど、たまには遊びに来てよね」
「はい、もちろん。ねぇ、いいでしょ、リヴァイ」
「もちろんだ」
「さあ、ぶどうも召し上がって。ごめんなさいね、こんなものしかなくて」
「いただきます」
私たちは色々なことを話した。話疲れてふと気が付くと、窓からは西陽が差し込んでいた。
「そろそろ失礼します、ごちそうさまでした」
「今日はお会いできて良かったわ」
マリアおばさんはリヴァイに握手を求め、リヴァイはそれに応じていた。その横でカルロスおじさんが言った。
「リヴァイさん、Aちゃんをよろしくな。俺たちの娘みたいなもんだからな」
「ああ、Aは俺の宝だ。大切にする」
その横でAが頬を赤らめるのを、窓ガラス越しにオーウェンが見ていた。
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ちか(プロフ) - (*´∇｀)さん» 初めまして。読んでいただき、ありがとうございます。面白いと言っていただけて、大変嬉しいです。ゆっくり更新になりますが、頑張ります(^^♪ (2018年8月5日 7時) (
レス) id: d18ebea9c2 (このIDを非表示/違反報告)
(*´∇｀) - とても面白いです！更新楽しみにしてます！ (2018年8月5日 0時) (レス) id: 737145386d (このIDを非表示/違反報告)
ちか(プロフ) - 琴さん» ありがとうございます！ (2018年7月27日 13時) (レス) id: 0d180ac097 (このIDを非表示/違反報告)
琴 - ちかさん» 更新楽しみに待ってます(^｡^)頑張ってください！ (2018年7月27日 8時) (レス) id: 8f97a39ef4 (このIDを非表示/違反報告)
ちか(プロフ) - 琴さん» 初めまして。読んでいただき、ありがとうございます！私自身、ときめきたくて書いているので、そう言っていただけると、とても励みになります。のんびり更新ですが、これからもよろしくお願いします(*ﾟ▽ﾟ)ﾉ (2018年7月26日 20時) (レス) id: 0d180ac097 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ch | 作成日時：2018年2月28日 18時
