Close to you 6 ページ32
どこかで、水の音がする。とてもとても遠くで。
雨音よりは細かい、軽い音が響く。
Aはうつ伏せのまま、重い瞼を開けた。
表通りに面した窓際に置かれた椅子に、リヴァイのジャケットがかかっている。自由の翼が見えた。
水の音は、シャワーだ。
リヴァイがシャワーを浴びているんだ。
今日は、ずっと一緒にいてくれた。
何度も、抱かれた。
幸せだった。
南向きの窓から向かいの石壁が見え、西陽がやさしくオレンジに染めていた。もう夕方なんだ。
Aはベッドを這い出して、リヴァイのジャケットを手に取ると、それを抱きしめた。
リヴァイの匂いがする。もう、さよならの時間なんだ。水音が止まる。
Aは急いで、ジャケットを抱いたまま再びベッドへと潜り込んだ。リヴァイの匂いリヴァイの匂いリヴァイの匂い……Aは頭まですっぽり潜り込んだ。
ガチャ
衣擦れの音がして、着替えたリヴァイが扉を開けてバスルームから出てきたのが分かる。足音はベッドとは逆の方へ向かい、止まった。ジャケットが無いことに気づいたようだ。
しばしの静寂…
やがて足音が近付いてきた。目を固く閉じて息を殺した次の瞬間、バサッとめくられた。
「おい、悪戯が過ぎるようだな」
「……………」
「お仕置きが必要か？」
「………」
「A」
「………」
「……俺もまだここにいたいが、そろそろ帰らねぇとな」
「…………………………うん」
Aがゆっくり目を開くと、覗き込むリヴァイの顔が思いのほか近くにあり、頬がみるみる赤く染まった。Aは慌ててジャケットに隠れた。
「リヴァイの……これリヴァイの匂いがするよ」
「だろうな、俺のだからな」
「もう帰るの？」
「ああ、そうだ」
「今日はお休みもらったの？」
「ああ、お前と過ごすためにな」
Aはジャケットを引き下げて覗いた。
「今日は、ありがとう。幸せな…一日だったよ」
「そうか」
「うん。どうしよう…もっともっと、大好きになっちゃった」
「俺もだ、A。だから安心しろ」
「うん」
「お前が思っている以上に、俺はお前を愛している」
リヴァイはAの髪を指で梳きながら言った。
「……うん。嬉しい」
Aは両手を伸ばした。リヴァイはAの手を取り優しく引くと、そのままキスをした。濡れた音を立てて唇が離れる。
「ジャケット着せてあげる」
Aはリヴァイの背中にまわって袖に腕を通して、リヴァイを抱きしめた。
「いつか、2人で暮らしてぇな」
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ちか(プロフ) - (*´∇｀)さん» 初めまして。読んでいただき、ありがとうございます。面白いと言っていただけて、大変嬉しいです。ゆっくり更新になりますが、頑張ります(^^♪ (2018年8月5日 7時) (
レス) id: d18ebea9c2 (このIDを非表示/違反報告)
(*´∇｀) - とても面白いです！更新楽しみにしてます！ (2018年8月5日 0時) (レス) id: 737145386d (このIDを非表示/違反報告)
ちか(プロフ) - 琴さん» ありがとうございます！ (2018年7月27日 13時) (レス) id: 0d180ac097 (このIDを非表示/違反報告)
琴 - ちかさん» 更新楽しみに待ってます(^｡^)頑張ってください！ (2018年7月27日 8時) (レス) id: 8f97a39ef4 (このIDを非表示/違反報告)
ちか(プロフ) - 琴さん» 初めまして。読んでいただき、ありがとうございます！私自身、ときめきたくて書いているので、そう言っていただけると、とても励みになります。のんびり更新ですが、これからもよろしくお願いします(*ﾟ▽ﾟ)ﾉ (2018年7月26日 20時) (レス) id: 0d180ac097 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ch | 作成日時：2018年2月28日 18時
