Close to you 2 ページ28
扉を叩く音に続いて、リヴァイの声が聴こえた。昨日会ったばかりだ。来るはずがない人が、大好きな人が、今、扉の向こうにいる。今までなら嬉しくて駆け出していただろう。でも、今朝は…素直に嬉しいだけではない気持ちがあった。
リヴァイは、何も悪くないのに。
悪いのは、私。
「おい！ 俺だ！ 開けてくれ」
Aはもぞもぞとベッドを出ると、扉の前に立った。扉1枚を隔てて、愛おしい人がいる。
「あのね、ちょっと具合が悪くて…気分が悪いの、風邪かも知れないから…リヴァイに移したくなくて。だから…」
消え入るような声でAが言った。
「いいから開けろ。具合が悪いなら、尚更だ」
リヴァイの心配そうな、それでいて少しイライラしているような声を聞いて、Aは会いたい気持ちを我慢出来なくなって、扉を開けた。朝日が眩しく差し込み、リヴァイの影がAに重なった。俯いていたAはゆっくり顔を上げ、いつもより深く眉間にシワを寄せたリヴァイの顔を見ると、鼻の奥がツンとして、涙が出そうになった。リヴァイはそんなAを強く抱きしめた。
「どうしたって言うんだ」
「ごめんなさい。風邪なんて、ひいてないの。ただ、昨日、リヴァイと別れてから…何だか、辛くなってしまって…」
「やっぱりな。昨日、走って帰るお前の後ろ姿を見てから、落ち着かなくてな、それで、来てみた」
「私も……ち、調査兵団に、入ろうかな……」
「何を言ってやがる」
「調査兵団には、女の人もいるんだなぁって…知っていたけど、昨日改めて思って…私も兵士になれたら、リヴァイと一緒にいれるのにって…」
「チッ、あのクソメガネのせいか」
「ごめんなさい、つまらないこと、言っちゃって。ただ、2人の後ろ姿見ていたら、辛くなってしまって…」
「あいつは、ハンジ。分隊長だ。あの女は巨人にしか興味がねぇ。あんな奴にヤキモチ妬いても、仕方ねぇぞ」
「うん。本当にごめんなさい。忙しいのに、こんな朝早く…」
「いいんだ、気にするな。俺は、お前以外に興味はねぇ。これからもずっとそうだ。安心しろ」
「…………嬉しい、嬉しすぎて……どうしたらいいかわからないよ」
「じゃあ、こうしてやる」
リヴァイは後ろ手に扉を閉めると、Aの顔を両手で包み、唇を重ねた。深く深く口付けられて、Aは必死でリヴァイにしがみついた。酸欠になって頭がクラクラした。唇が離れてゆく。
「……悪い、手加減してやれなかった。お前が欲しくてな」
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ちか(プロフ) - (*´∇｀)さん» 初めまして。読んでいただき、ありがとうございます。面白いと言っていただけて、大変嬉しいです。ゆっくり更新になりますが、頑張ります(^^♪ (2018年8月5日 7時) (
レス) id: d18ebea9c2 (このIDを非表示/違反報告)
(*´∇｀) - とても面白いです！更新楽しみにしてます！ (2018年8月5日 0時) (レス) id: 737145386d (このIDを非表示/違反報告)
ちか(プロフ) - 琴さん» ありがとうございます！ (2018年7月27日 13時) (レス) id: 0d180ac097 (このIDを非表示/違反報告)
琴 - ちかさん» 更新楽しみに待ってます(^｡^)頑張ってください！ (2018年7月27日 8時) (レス) id: 8f97a39ef4 (このIDを非表示/違反報告)
ちか(プロフ) - 琴さん» 初めまして。読んでいただき、ありがとうございます！私自身、ときめきたくて書いているので、そう言っていただけると、とても励みになります。のんびり更新ですが、これからもよろしくお願いします(*ﾟ▽ﾟ)ﾉ (2018年7月26日 20時) (レス) id: 0d180ac097 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ch | 作成日時：2018年2月28日 18時
