虜 5 ページ22
Aの目からひとすじの涙が溢れて、そっとリヴァイの胸に顔をうずめた。風に髪が揺れて、リヴァイはAの背中にゆっくり手を回した。
「ありがとう、リヴァイ」Aは静かにそう言って、言葉を続けた。
「私も、リヴァイを思わない瞬間は無かったよ。何をしていても、誰かと話していても、店にいても、部屋にいても、眠りに落ちる瞬間も、夢の中でさえ。早く会いたいって」Aが顔を上げる。「私には分かる。リヴァイのことで胸がいっぱいになってしまうのは」そこで1度言葉を切って、Aは、リヴァイの目を見つめて言った。「リヴァイのことが、好きだから。虜…だから」
「虜…」
「そう、私はリヴァイの虜。あの日からずっと」
「俺もお前の虜…ってことか」
「そうだといいな…」
少し冷たい秋風が吹いて、Aは風を避けるように、リヴァイの胸に頬を寄せた。
「心臓の、音が聴こえる。リヴァイの」
「当たり前だ。俺は生きている」
「うん。生きて、また会えたね」
「今まで俺の周りには、少なからず女がいたが、こんな気持ちは初めてだ」
「私も、誰かを好きになる気持ち、初めて知ったよ」
「そうか」
「ずっと、こうして一緒にいられたら、苦しくならないのかな」
「多分な」
「サンドウィッチ、食べようか」Aはバスケットが目に入り、リヴァイにはあまり時間が無いことを思い出した。
「久しぶりにハムが手に入ったの。知り合いから安く譲ってもらったの」Aは、幾つかある中から、分厚いハムの挟まったサンドウィッチを取って、リヴァイに渡した。薄いハムと分厚いハムのサンドウィッチがあるようだった。Aは薄いハムのサンドウィッチを取った。
「さぁ、食べよ」Aがひと口食べたが、リヴァイはまだサンドウィッチを持ったままだ。
「どうしたの？もしかして、嫌いだった？」Aが不安そうに聞いた。
「お前のサンドウィッチ、ハムが薄くねぇか？」
「私はこれでいいの。リヴァイはそっちを食べて。強くならないと、ダメでしょ？」Aはまたひと口食べると、思い出したように言った。
「リヴァイって人類最強なの？私、以前に聞いたことがあったの。リヴァイに出会う前に、リヴァイの名前を」Aは目を丸くして、リヴァイを見た。
「ああ、俺は他の奴らより強い」リヴァイはサンドウィッチを頬張った。
「なるほど、悪くねぇ。今度はお前が分厚いハムの方を食え」
「私はいいよ」
「俺の為にお前も分厚い方を食え！」
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ちか(プロフ) - (*´∇｀)さん» 初めまして。読んでいただき、ありがとうございます。面白いと言っていただけて、大変嬉しいです。ゆっくり更新になりますが、頑張ります(^^♪ (2018年8月5日 7時) (
レス) id: d18ebea9c2 (このIDを非表示/違反報告)
(*´∇｀) - とても面白いです！更新楽しみにしてます！ (2018年8月5日 0時) (レス) id: 737145386d (このIDを非表示/違反報告)
ちか(プロフ) - 琴さん» ありがとうございます！ (2018年7月27日 13時) (レス) id: 0d180ac097 (このIDを非表示/違反報告)
琴 - ちかさん» 更新楽しみに待ってます(^｡^)頑張ってください！ (2018年7月27日 8時) (レス) id: 8f97a39ef4 (このIDを非表示/違反報告)
ちか(プロフ) - 琴さん» 初めまして。読んでいただき、ありがとうございます！私自身、ときめきたくて書いているので、そう言っていただけると、とても励みになります。のんびり更新ですが、これからもよろしくお願いします(*ﾟ▽ﾟ)ﾉ (2018年7月26日 20時) (レス) id: 0d180ac097 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ch | 作成日時：2018年2月28日 18時
