4pm 2 ページ17
「ん…」Aが目を開けると、目の前にリヴァイの顔があった。リヴァイの指が、優しく髪を梳いている、何度も何度も。リヴァイの瞳の中には、満ち足りた、恍惚の表情のAが映っていた。静かな時間が流れてゆく。
「傷、大丈夫なの？ 」
「ああ、問題ない」
「手当しなくても？」
「ああ、平気だ」
「たくさん、危険な目にあった？」
「まあな」
「巨人を倒したの？」
「そうだな、何体か」
「空を飛ぶって、どんな感じ？」
「悪くねぇが、任務だからな。何とも言えねぇ」
「リヴァイが無事で良かった。祈ってたの」
「そうか、ありがとうな」
「リヴァイがたいせつ──」
リヴァイはたまらなくなって、Aを胸に引き寄せ抱きしめた。生きていることは、素晴らしい。こんなにも、あたたかい。泣きたい気持ちにも似た、高揚がある。今までずっと、知らなかったんだな、俺は。Aもそっと、リヴァイを抱きしめ返した。
ジャケットを羽織って、リヴァイは立ち上がった。
「6時から、会議がある」磨かれたブーツが音を立てて扉へ向かう。
「うん」
「めんどくせぇが」
「うん」
「しばらく、忙しくなる」
「……うん」
「うん、しか言わねぇな」
「うん……」
「何か言え」
「………元気にしてるから、大丈夫」
「そうか、じゃあな」
扉に手をかけたリヴァイの背中を、Aはぎゅっと抱きしめた。
「リヴァイも、元気でいてね、約束して」涙が出そうなのを堪えた。もっと、いやずっと、リヴァイと一緒にいたい。
「ああ」Aの手に自分の手を重ねた。あたたかい。こいつは本当に、あたたかいんだ。俺が守られているのかも知れねぇ、そう思った。
リヴァイはAに向き直ると、抱き寄せた。今にも泣き出しそうなAの唇に、触れるだけのキスをした。周りの音が一切消え、時さえも止まった気がした。
「またな」リヴァイが出てゆく。傍らのオレンジをひとつ、手に取って。
バタンと扉が閉まり、ひとりきりになった。
Aの唇には、いつまでもぬくもりが残っていた。
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ちか(プロフ) - (*´∇｀)さん» 初めまして。読んでいただき、ありがとうございます。面白いと言っていただけて、大変嬉しいです。ゆっくり更新になりますが、頑張ります(^^♪ (2018年8月5日 7時) (
レス) id: d18ebea9c2 (このIDを非表示/違反報告)
(*´∇｀) - とても面白いです！更新楽しみにしてます！ (2018年8月5日 0時) (レス) id: 737145386d (このIDを非表示/違反報告)
ちか(プロフ) - 琴さん» ありがとうございます！ (2018年7月27日 13時) (レス) id: 0d180ac097 (このIDを非表示/違反報告)
琴 - ちかさん» 更新楽しみに待ってます(^｡^)頑張ってください！ (2018年7月27日 8時) (レス) id: 8f97a39ef4 (このIDを非表示/違反報告)
ちか(プロフ) - 琴さん» 初めまして。読んでいただき、ありがとうございます！私自身、ときめきたくて書いているので、そう言っていただけると、とても励みになります。のんびり更新ですが、これからもよろしくお願いします(*ﾟ▽ﾟ)ﾉ (2018年7月26日 20時) (レス) id: 0d180ac097 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ch | 作成日時：2018年2月28日 18時
