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惚れたという言葉に咄嗟に反応できない。惚れる…？
「うえっ！？いつの間に！？」
俺の反応に横山くんが驚きの声を上げた。
「ヨコ。そういうデリケートな話をでっかい声でするなよ。」
すばるくんがゆっくりとこちらに歩いてくる。
「いや、だって、は？適当に言うただけやで？」
「こんなもんが送られてくるんや。そりゃなんかあったんやろ。」
「大倉って男が好きなん？」
後ろから亮ちゃんの声。
「おーい！亮！」
「だっていっつも遊びに行くって言うたら女の…」
「やめたりって！大倉、顔真っ赤やんか。ほら、もう暴れへんやろ？作戦会議しようや。」
ヤスの言葉に村上くんが腕を離す。写真の言葉に体が反射的に動いていた。俺…。俺はたった一回のことで…
「大倉？」
「はぁ…」
「どうした？」
「いや…ちょっと自分の気持ちに驚いてるだけ。」
「え？」
「こんな感情になるとは思ってなくて。」
瞬間、ニヤッと口角を上げる横山くん。
「また１つ、大人になったな。」
「…それ、前にも言われたな。」
「お！よぉ覚えてるやん。」
頭をゴシゴシと撫でられ、子どもに戻ったような気持ちになる。
「ほんで？あちらさんのボスは何て？」
写真の手紙について内容を話す。
「ふーん。『傷つけた』ねぇ…」
その言葉に敏感に反応する横山くん。
「え？え、お前、まさか…」
「…」
「おいおいおい。」
「大倉ってやっぱりタラシやねんな。」
「…やっぱりって何やねん。」
「まさかあの時？崖から落ちた時？俺等が必死にルートを探って走り回ってた、あの時？」
「…」
「そうやろ。だってその前に２人がそんな雰囲気になったことないはずやで。」
今度はすばるくんがニヤリと笑う。
「お前、俺と気が合いそうやな。」
「は？変態ではありません。」
「おいっ！！ヒナ、こいつ反抗期や！！」
「あの時は麻酔銃の影響で…」
「え？」
「マルが麻酔銃で打たれて、おそらくその麻酔が変な薬やったんやと思う。」
「…」
急に黙り込んだすばるくん。
「どうしたん？」
「…あの国な、薬に関して結構問題になってる。戦時中、兵士が廃人になるケースが結構あったんや。」
「え…」
「今は表面上は禁止されてるけど、大金を払えばどんな薬でも作れる。」
「そんな…」
「もう３ヶ月以上か…。それまでにも使われてたんやろうか。記憶をなくすようなきつい薬、頻繁に使うことはないやろうけど心配やな。」
「マル…」
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作者名：orange | 作成日時：2023年12月29日 23時
