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「大倉さん…」
「はい。」
「僕、怖いんです。あなたを好きになって、もし僕の前からいなくなってしまったらって。だから何度も何度も好きの気持ちに気づかないふりをしてきたんです。」
「丸山さん…」
あたたかい手のぬくもり。もしこれがなくなってしまったら…
「お願いします…僕の前から…いなくならないで…」
真っ昼間の公園。人目が気にならないとはいえ、チラチラと通りかかる人はいる。でも大倉さんは迷いなく僕を引き寄せて抱きしめてくれた。
「いなくなりません。俺は大切な人を失う怖さを知っているから。大切な人のために、そんなことしません。」
「ほんとに…？」
「はい。大丈夫。俺だって怖い。でも、あなたが違う人のところに行ってしまう方がよっぽど怖い。」
「大倉さん…」
失う怖さよりも今の幸せを。抱きしめられている今、僕はどの瞬間よりも幸せを感じてるやん。
「大倉さん…好きです…離れたくない。」
大倉さんの肩に顔をうずめる。頭を優しく何度も撫でられて、強張っていた心が解けていく。
「うれしい。丸山さん、大事にします。離れません。」
なんでか流れ続ける涙。大倉さんの匂いとあたたかさに包まれて、しばらくすると、怖いと思っていた気持ちが嘘のようにどこかに行ってしまった。
「丸山さん、顔見せて。」
「無理です。」
涙がおさまった頃、冷静になった僕はこの状況に顔をあげられない。
「なんで？」
「だって、こんなドラマみたいなこと…周りの人に見られてたと思うと恥ずかしすぎる。」
「そんなことどうでもいいじゃないですか。俺は気持ちを伝えてくれた丸山さんの顔が早く見たい。」
「ぐしゃぐしゃです。」
「ふふ。見たい。」
「大倉さんの服も、またぐしゃぐしゃです。」
「全然大丈夫。」
「…せめてタオルをください。」
「ん〜しょうがないな。」
大倉さんの腕の中、俯いたまま顔を拭く。あったかい。
「丸山さん。こっち向いて。」
「え…」
いや、なんやろ。顔あげんのめっちゃ緊張するやん。
「ちょ…っと…無理です。」
「ふふ。」
「ん？」
「丸山さん、かわいいなぁ！手伝ってあげますよ。」
あごに軽くふれられて、そっと持ち上げられる。そこにはドアップの大倉さん。
「ほんまにかわいい…」
そのまま重なる唇。そっと重なって、そっと離れていく。ただそれだけなのに、とろけて力がなくなる。
「丸山さん…」
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orange(プロフ) - いつもありがとうございます。この場所があって、たくさん倉丸ちゃんに浸れるので、日々の活力になっています。また見に来てください！ (2023年1月23日 22時) (
レス) id: 12b1e8c154 (このIDを非表示/違反報告)
kkoyanagi(プロフ) - お疲れ様でした。いつも物凄く楽しみにしています、この二人のお話が少ないので強火の倉丸担オタクとしては最高に嬉しいです。次回作も楽しみに待ってます。 (2023年1月23日 8時) (レス) @page32 id: 46c9530258 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：orange | 作成日時：2023年1月7日 21時
