126 ページ33
おじいさんが示した方を２人で見ると、そこには大きな扉があった。
「あれは…？」
「わたしたち御子が守ってきたものだよ。世界を滅ぼす兵器が封印されている。」
「兵器…？」
「まぁ、簡単にいえばそうだな。世界が平和であるために、あそこに全ての悪が閉じ込められている。」
「え…」
「あの扉が開かないように、わたしたちは代々血を繋いできた。神の思し召しによって。」
「神は…この世界をお作りに…」
「そうだ。世界が誕生するにあたって邪魔なものを全てあの扉の向こうに閉じ込めたのだろう。」
「そんなことが…。しかし…もう守らなくてよいのですか？」
「わからぬ。」
「わからない…？」
「うむ。我々が守らずとも平和に過ごす力が人々に芽生えたと感じられたか…もう開く心配がないのか…わからない。」
「…大丈夫なのでしょうか？」
「さあ。扉が開いてしまえば星が崩れるのであろうな。御子がいることで、逆にその存在が知られてしまうと思われたのかも知れぬ。」
「これから発展するであろう科学を使えば、御子の正体も暴かれるかもしれないということか…。」
「うむ。不思議だな。わたしたちは生かされているだけ。神の人形遊びの世界で生かされているようだと、わたしは感じるよ。」
そういうと、おじいさんは分厚い書を俺に渡してきた。厚さのわりにものすごく軽くて、触れたことのない感触…
「これは…？」
「知らぬ間にわたしの手にあった。そなたが代々引き継ぎなさい。」
「何も書いていませんね…」
「お前の残った力で、一連の秘密を書き残すのだよ。そしてそれを継承し、常に世界の平和を願いなさい。」
「どのようにすれば…」
「じっくり考えなさい。何をしるし、何を残すのか。お前に残された力を、その記録のためだけに使いなさい。」
「はい。」
「忠義殿。隆平を見つけてくれてありがとう。」
「紀之様。大切にお守りします。」
「うむ。おそらくそなたの血筋に隆平の魂が残るであろう。」
「子は残さないということでは…」
「直接は出来ぬ。ただ、そなたら２人は必ず再び出会い、この扉を守るはずだ。あとは隆平、未来を神に問いかけてみよ。必ず答えてくださる。」
「わかりました。」
「さ、もう疲れたな。最後の力をこのために残していたからもう空っぽじゃ。」
「おじいさん！」
「隆平、お前のそのように輝く顔を見ることが出来て幸せだよ。そのような笑顔が世界に広がるように人生をかけなさい。」
「はい！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 54人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
orange(プロフ) - kkoyanagiさん» いつもありがとうございます！感想いただけてとてもうれしいです。また頑張ってみます！ (2022年1月27日 19時) (
レス) id: 7529fcda00 (このIDを非表示/違反報告)
kkoyanagi(プロフ) - 完結お疲れ様でした。でももうこの２人のイチャこらを読めないのはめちゃ寂しい。ぜひぜひ次作をよろしくお願いします、楽しみに待ってます。 (2022年1月27日 8時) (レス) @page38 id: 46c9530258 (このIDを非表示/違反報告)
orange(プロフ) - kkoyanagiさん» ありがとうございます！まさかコメントをいただけると思っていなかったのと、丁寧なお言葉に、ものすごく癒されました！！こんな拙い文章で申し訳ないですが、読んでいただけてうれしいです。 (2022年1月22日 13時) (レス) id: 7529fcda00 (このIDを非表示/違反報告)
kkoyanagi(プロフ) - モヤモヤした気持ち、少し分かるような気がします。その中で更新ありがとうございます。いつも楽しみにしています、orangeさんのペースでの更新待ってます。 (2022年1月19日 8時) (レス) id: 46c9530258 (このIDを非表示/違反報告)
kkoyanagi(プロフ) - 星がなんぼあっても足りない…… (2021年9月15日 8時) (レス) id: 46c9530258 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：orange | 作成日時：2021年9月3日 7時
