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しばらくたって、本社から父親からの伝言を預かって部下の人が訪ねてきてくれた。内容はマルのこと。
「狙われてる?マルが?」
「はい。」
「どういう…」
「詳しくはどうしてもわかりません。一族の秘密とされているようだとしか。」
「秘密?なんやろ…。でもそれであんなに警護があついんか…」
「筆頭の側近が体調を崩したことがあったようですが…」
「あぁ…亮ちゃんのお父さんやな。錦戸さん。マルはニシキって呼んでるけど…」
「丸山様の身代わりになったとか…」
「え…ヤバイな。一時期よりさらに警護があつくなったんはそのせいか。」
「あと、あの方は首都に長くいられないそうです。思春期を過ぎてから、どんどん体調が悪くなり、しまいには寝込んでしまったそうです。」
「なにそれ…。原因不明?」
「はい。」
「ん〜…謎やな。」
「社長が気になっておられましたよ。」
「え、何を?」
「いつも頼ってこない忠義様が、自分を頼ってまで知りたいことがあるなんて珍しいと。」
「あぁ…確かに親父に何か頼むことって大学入ってからなかったかな。」
「だからお喜びになって、あらゆる伝手を使われてました。」
「そうか。でも…」
「そうです。それでもこれだけしか出てきませんでした。だから余計に心配されてます。」
「え?」
「王国の秘密に関わることになるんじゃないかと。」
「…」
「引き返せるうちに引き返せとおっしゃっていました。」
「それは…」
「私もそう思います。」
「…いや、それは出来ひん。大切な…うん…そうやな、大切な人のことやから。」
「…ふふっ。」
「え?」
「社長がそうは言っても、絶対あいつは引き返さないと思うがとおっしゃっていました。」
「なんやねん。」
「こちらもわかったことがあったらまた連絡するとのことです。」
「ありがとう。よろしくお願いします。」
「はい。あと仕事のことですが…」
「はぁ…」
「もっと周りに頼れと。」
「え?」
「全部自分では出来ません。優秀な社員にもっと目を向けて頼っていけば、周りが変わると仰っていましたよ。忠義様にはその一言で大丈夫だと。」
「…そう…。確かに気ぃ張って全部自分でやろうとしてたわ。うん。親父にお礼言うといて。」
「はい。また本社にうつるタイミングも相談したいと…」
「ん。わかった。考えとく。」
本社か…。マルと離れることは考えたくないな。カウンセラーとして来てくれるやろうか…?
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orange(プロフ) - ありがとうございます!コメントをいただけてとてもうれしいです。更新、少しのんびりしますが、よろしくお願いします☆ (2021年4月24日 18時) (レス) id: 7529fcda00 (このIDを非表示/違反報告)
akao(プロフ) - はじめまして^_^いつも更新楽しみにしています☆2人がどうなっていくのかワクワクしてます^_^これからも更新無理なく頑張ってください^_^ (2021年4月21日 19時) (レス) id: 078dcaab9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:orange | 作成日時:2021年3月21日 20時