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「あ、寝てる」
話の途中で急に黙りこんだ帝統くんは、気持ち良さそうに寝息をたてていた。
私と幻太郎が帝統くんを見ていると、彼は崩れ落ちるように床に倒れた。
「んー……あづい……」
と寝言を言う帝統くんのコートを脱がすと、帝統くんはわりぃ、と、うわ言のように呟いた。
「……元気も出たことですし、仕事をしてきます」
私の頭を撫でて幻太郎は居間を出た。
静まり返る居間。一気に暇になってしまった。
「帝統くーん」
呼び掛けても返事は返ってこない。
ちょっとだけ顰め面をして、私は帝統くんのコートを手にした。もうこれを畳むくらいしかすることがない。
「うわ、大きいな……」
ファーをもふもふと触って遊んでいたら思ったよりも羽が散ったのでやめた。
大人しく畳むことに専念していると、視界の端に何かが映った。
「これ、どこかで……」
円に十文字の星形。
帝統くんのコートに描かれている模様だ。
「あっ!!」
慌てて口を抑える。ものすごい大きな声を出してしまった。焦って帝統くんをちらりと見たが、彼が起きる様子は全く無かった。
これは、幻太郎の袴にもあった模様だ。
さっき抱きしめられたときにまじまじと見ていたのだから間違いない。
ということは、お揃い……?
故意か偶然かは分からないが、とにもかくにも、幻太郎と帝統くんにはお揃いのモノがある。
良いな、お揃い。
私も何か幻太郎とお揃いの物を身につけたい。どうせなら、世界に一つだけのデザインで……
この私のお願いを聞いてくれそうな人は一人しか思い付かない。私は先程貰ったばかりの名刺を取り出した。
「幻太郎は私のだからね」
帝統くんの頬をつつきながら宣戦布告をして、私は携帯を手にした。
『もしもし。……乱数さんですか?』
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弥生(プロフ) - らむさん» すみません!ありがとうございます!直しました! (2019年3月19日 20時) (レス) id: c470da6ec6 (このIDを非表示/違反報告)
らむ(プロフ) - 今日投稿された・が、名前として変換されてませんでしたよ!←わかりにくかったらすみません! (2019年3月19日 19時) (レス) id: cbd03db035 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:弥生 | 作成日時:2019年3月15日 5時