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今日は初春にしては暖かい。日の光に目が眩む。

私たちは家へ向かって歩く。
私たち、というのは私と幻太郎、そして帝統くんだ。

なぜ帝統くんが居るのか。

帝統くんが土下座しながら
「泊めてください!」

と叫び、私が

「いいよ」
と二つ返事で了承したからだ。
あんな子犬のような顔をされては断れない。

帝統くんは誰にでもこんな事をしているのだろうか。悪い人に捕まってしまわないか心配だ。

……と、無駄に帝統くんに過保護になっているとすぐに家に着いた。

「A、ありがとうな!俺、お前が居なかったら死んでたぜ!」

私の頭をぐしゃぐしゃと撫でる帝統くんに、幻太郎が何か耳打ちした。


「分かってるって!」

「それなら良いのですが」

また向日葵のように笑った帝統くんに幻太郎は“汚いので風呂にでも入ってきてください”と言った。
帝統くんはサンキュー、と礼を言い、居間には私と幻太郎だけが残された。

「……あの」

帝統くんが出てから少しして、ばつが悪そうに幻太郎が言う。

ん?と私が首を傾げると幻太郎は私の右腕をぐい、と引っ張った。

「わっ、な、何?」

幻太郎の胸に飛び込んだ私の背中に、彼は素早く腕をまわす。

恥ずかしくて彼の顔をまともに見られず、私は彼の袴をじっと見つめていた。

「小生は……Aが一番なんです」

「私もだよ」

「目移りしないでくださいね」

私を見つめる幻太郎の目は不安そうだった。今の彼もまた子犬のようだ。
つまり彼は不安なのだろう。帝統くんや乱数さんに私が心移りしてしまわないかと。

大丈夫、と何度も言いながら私も彼の背中に腕をまわす。

幻太郎の匂いに、体温に、私の心臓は高鳴る。このドキドキが幻太郎に聞こえていないと良いな。




『聞こえてても良いか』

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弥生(プロフ) - らむさん» すみません!ありがとうございます!直しました! (2019年3月19日 20時) (レス) id: c470da6ec6 (このIDを非表示/違反報告)
らむ(プロフ) - 今日投稿された・が、名前として変換されてませんでしたよ!←わかりにくかったらすみません! (2019年3月19日 19時) (レス) id: cbd03db035 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:弥生 | 作成日時:2019年3月15日 5時

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