曲者、再び登場 ページ31
「やぁ、久しぶり菊華ちゃん」
『視界から消えていただきたいんですけど』
実習の時間にうっかり腕を木の枝で傷付けてしまい医務室へと来て障子を開けると、この前の薄気味悪い包帯大男が笑顔で出迎えてきやがった。
「相変わらず私を蔑んだ目で見てくるね」
『当たり前でしょう、貴方は曲者なんですから。ちょっと治療しますんで出ていって下さい』
「傷の手当てなら私がやってあげよう」
『別にいいです。出ていって下さい』
「まぁ、そう言わず。美味しいお団子持ってきたんだけど食べるかい?」
『いりません。出ていって下さい』
「そう言えば、傷は舐めれば治るって言うよね。本当かどうか舐めてみようか」
『気持ち悪いです。というか、人の話全く聞いてないですよね?』
なんか頭痛くなってきた…早く治療してこの場を去ろう。
頭を抱えながらため息をついていると、医務室の障子が開いた。振り返れば、保健委員で顔色の悪い一年ろ組・鶴町伏木蔵と体育委員の二年は組・時友四郎兵衛がいた。
「あれぇ〜…ちょっと粉モンさんと菊華先輩じゃないですか…2人で何してたんです…?」
「雑渡昆奈門ね。今、菊華ちゃんの傷の手当てをね」
『違う。治療しようと入ったら、この曲者がいたんだ』
「へ?菊華先輩、ケガしちゃったんですか?」
話を聞いて時友くんが眉を下げて心配そうに聞いてきたので、頭をポンポン撫でて言う。
『軽いかすり傷だから大丈夫。心配してくれてありがとう』
「えへへ」
照れたように笑う時友くん。少しばかり気持ちがほっこりとなった時、伏木蔵くんが救急箱を取り出した。
「先輩、怪我の治療しますから見せてください…」
『あぁ、すまない。ありがとう』
言われた通り怪我した方の腕を伏木蔵くんに見せると、消毒をし慣れた手つきで包帯を巻いていく。その手際の良さに少し驚いた。
『1年なのに包帯巻きが上手いね』
「そんな事ないですよぉ…ふふふ…」
ホメ言葉に照れる伏木蔵くん。しかし、伏木蔵くんの歳でここまで綺麗に包帯を巻けるとは本当に凄いと思う。きっと教える人がいいんだろう。上司が良ければ部下も成長するって言うし…。
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ひょぎ(プロフ) - すごく面白いです!主人公の設定が私の好みです! (2023年4月25日 0時) (レス) id: c91982745d (このIDを非表示/違反報告)
来夢(プロフ) - Megumiさん» 忍たま小説書いてます!良ければ一度見に来てください! (2021年6月1日 22時) (レス) id: 432cdd0ce8 (このIDを非表示/違反報告)
Megumi(プロフ) - とても面白かったです!続きがとても気になってます!ぜひお願いします! (2021年6月1日 19時) (レス) id: 2b7b46d822 (このIDを非表示/違反報告)
来夢(プロフ) - とても面白いです!!お願いです、更新して下さい!!お願いします!! (2020年9月27日 17時) (レス) id: cfa50364df (このIDを非表示/違反報告)
obipurei(プロフ) - おもしろいです!更新してくださるのを期待してます!! (2020年2月14日 18時) (レス) id: 186218a2f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:作之助 | 作成日時:2016年5月12日 0時