忍たま〜地味少女の憂鬱〜part２

曲者現れる ページ17

『………』

まただ。またあの視線を感じる。



ココ最近、厄介事に巻き込まれつつ なんとか地味な日常を過ごしているのだが……近頃誰かに見られている気がする。

いや、見られていると言うより観察されていると言った方がいいだろう。


『(忍たまや先生たちではないと思うけど…とりあえず今は様子見でいいか)』

｢菊華ちゃん?どうしたの?｣

『いや、何でもないよ』


こちらを見て首を傾げる愛子に頭を横に振り悟られないようにくの一教室へ足を運ぶ。





――――――
――――


｢では、これまで!｣

｢｢ありがとうございました!!｣｣



『……(まだ視線を感じる)』


授業が終わる今までの間、あの視線を未だに感じる。先生が気付いていないと言う事は相当の実力者なのだろう。


｢菊華ちゃん、ちょっといいかな?｣

『…ん?どうしたの?』

｢前に伊作先輩から出された宿題を渡しに行く間、医務室に居てくれないかな…?｣

『医務室に?』

｢うんっ、今日は私が当番なんだけど…ちょっとの間だからっ!ダメ…?｣


愛子のこの表情からすると、少しでも善法寺伊作先輩とお話がしたい!!……と言う恋する乙女的な思いなのだろうと考え、私は頷いた。


『分かった、いいよ』

｢! あ…っ!ありがとう!｣



そう言い、愛子は周りに花を咲かせ輝いた笑顔で大量の宿題プリントを持って六年は組の教室へ向かうため教室から出ていった。


『……さて、私も行くか』

この視線の人と話さないといけないしね…医務室なら先生が来ない限り大丈夫だろうし…。

２→←５

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す