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「なるほどねぇー…」
「それが作兵衛が菊華先輩に惚れちゃった理由なんだね」
「へぇ〜」
「なっ…何だよ!オメェらが聞きたいっつったから話たんじゃねぇか!!あと三之助!ニヤニヤすんな!!」
昼休み、3年ろ組の教室に集まった浦風藤内と三反田数馬と次屋三之助と富松作兵衛。この4人で何を話しているかと言うと…ご察しの通り富松のいわゆる恋バナと言うモノである。
「でも凄いなそのくの一の先輩。話からして相当の実力者って感じだ」
「…というか、天女はいくらなんでも言い過ぎじゃね?」
「う、うるせぇ!お、おお俺にとって影野先輩は、天女みてぇな人なんだよ!つーか天女以上の人なんだ!!」
腕を組む藤内。次屋の呆れたようなジト目に睨みをきかせながらダン!と机を叩きながら怒鳴る。
「僕からすれば、愛子先輩しか天女と言ってもいい感じがしないんだけどなぁ…」
「それは、オメェが影野先輩の良さを知らねぇからだ!」
眉を寄せる藤内に富松がフン!と息を吐き口をへの字にさせる。そんな富松を数馬が宥める。
「まぁまぁ、でも確かに菊華先輩って優しいよね。この前、同盟のお茶会で僕の好きな和菓子を買ってきてくれたし…」
「ちょっと待て!!!」
お花を周りに飛ばしながら話す数馬だが、突然富松に止められた。
「数馬オメェ…っま、まさか、影野先輩とお茶したりしてんのか…!?」
「え?うん、言ってなかったっけ?僕と菊華先輩の2人で影が薄い同盟を組んで、愚痴とか世間話とかお茶会とかしてるよ」
「じ、じゃあ!俺も…!!」
「あ〜…ダメだよ。だって作兵衛はちゃんと個性があるし、影も薄くないし…同盟には入れないし菊華先輩が入らせないと思うよ?」
「ちくしょぉぉぉ!個性が憎い!!!」
床を叩き周りに暗闇を漂わす富松。そんな富松を数馬と藤内がアワアワと慌てながら宥めようとするが逆効果である。そんな様子を横目で見ながら次屋は教室の窓から空を見上げボー…と話の重要人物である菊華の姿を思い浮かべたのだった。
「(影野先輩来て荒らぶってる作兵衛を止めてくれないかなぁー…)」
*彼は地味女に夢中なのです*
(影が薄い数馬が羨ましいぃぃ!!)
(え?えへへ…)
(落ち着け作兵衛!そして照れるな数馬!)
―――ガララ
(すまない、作兵衛くんはいるか?ちょっと直してもらいたい物があるんだが…)
(っ!!?え…っ!えぇ!!?影野先輩…!!?)
(おぉ、思いが通じた…(けど逆効果みたいだ。さっきよりも作兵衛、荒らぶってる))
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ひょぎ(プロフ) - すごく面白いです!主人公の設定が私の好みです! (2023年4月25日 0時) (レス) id: c91982745d (このIDを非表示/違反報告)
来夢(プロフ) - Megumiさん» 忍たま小説書いてます!良ければ一度見に来てください! (2021年6月1日 22時) (レス) id: 432cdd0ce8 (このIDを非表示/違反報告)
Megumi(プロフ) - とても面白かったです!続きがとても気になってます!ぜひお願いします! (2021年6月1日 19時) (レス) id: 2b7b46d822 (このIDを非表示/違反報告)
来夢(プロフ) - とても面白いです!!お願いです、更新して下さい!!お願いします!! (2020年9月27日 17時) (レス) id: cfa50364df (このIDを非表示/違反報告)
obipurei(プロフ) - おもしろいです!更新してくださるのを期待してます!! (2020年2月14日 18時) (レス) id: 186218a2f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:作之助 | 作成日時:2016年5月12日 0時