９話 ページ10
─ノースside─
『ちょっと落ち着こ？ね？』
「私は落ち着いてます」
『そっか〜〜』
カティくんの部下が帰って来たところで私も帰ることにしたのは良かった。約束の時間近くだったから。一人用の船に乗ってゆーっくり帰ってたところで海軍用の電伝虫がなきやがりまして、お相手は軍曹ちゃん。どうしたのー、って軽く言ったら「大事なお話があります」と一言で切られまして。やらかしたかなぁ、と思いながら冷や汗だらっだらで帰った。そしたら入り口で待ってた軍曹ちゃんに腕を掴まれ連行されてる。今ココ。
『んーと、どこに向かってるのか教えて貰ってもいーかな？』
「行けば分かります」
『それもそうだ』
大変ご立腹らしい。おかえりって言ってもらえなくて私はちょっと傷付いたよ？それにしても、ホント何でこんなに怒ってるんだろ。エースの件だとしてこんなに起こるものなんかな。黙ってた訳じゃない、聞かれなかっただけで。海賊になると言っていたのは知っててもホントになるかどうかなんてその時にならないと分からないし。えー、これでお咎めくらっちゃ流石の私も理不尽さにキレそうだよ。雷落としちゃうよ。撥ね返されそうだけども。
『あ、ねぇきみ』
「ノース中将！何か御用でしょうか？」
『じーちゃんどこいるか知ってる？』
「ガープ中将なら元帥のお部屋に向かわれました」
『そっか、ありがとー』
「いえ！失礼いたします！」
前から歩いて来る海兵に声を掛ければビシッと敬礼をしてくれる。足を止めれば優しい軍曹ちゃんも止めてくれた。話が終わるとまたひっぱられたけれども。
それにしてもじーちゃんがセンゴク元帥の所に居るとは。もしかしなくても私も同じ所に連れてかれてるな、これ。いやだー、帰りたい―。
そんな願いも虚しく到着しました元帥の部屋に。
「何も言わずにお連れしたことは謝ります。けど、私怒ってますからね」
『うん、分かってるよ。元帥との話が終わったらすぐに部屋に戻るから待っててくれる？』
「はい」
『ありがとう』
拗ねててもしっかり目を合わせて話すところは軍曹ちゃんらしい。３つ下の彼女は誰よりも私を慕ってくれている。三年前の私はこんなにもしっかりしてたかな。よく覚えてないけど急いでた気がするなぁ。何をかは覚えてないけども。
コンコン
『ノースです』
「入れ」
『失礼します』
入室許可を貰えば中に居たのはセンゴク元帥と三大将プラスのじーちゃん。あーらら、私死ぬかもなぁ。
▽
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作者名：えると。 | 作成日時：2022年9月2日 22時
