２８話 ページ29
─ノースside─
『...っとまぁ、こんな感じなんですけど。どーでしょう？』
「断る理由が見つからねェなァ。だが、おめェのことに関しちゃあ良い返事が出来るかは分からねェ」
『あぁ、気にしないで下さい。結局はなるようにしかならないんで！わはは！』
言われた通りに全部話した。脅し文句はただの冗談でも、話すまで帰す気はなかったっぽい。
試しついでか結構な覇気向けられたもんね。ビックリしちった。正直エースに会わしてくれない方が私的にはキツイから冗談で何より。いやホント。
笑ってれば大きい手が伸びてきて頭を掴まれた。あれ、危機じゃね？死ぬ？
なんてビビってればわしゃわしゃ頭を撫でられた。
『あの、え、んん？？』
「大人しくしやがれ。ガープは孫を愛でる性格だ、慣れてんだろォ」
『じーちゃんオンリーですんで』
「アイツの娘に会えるとは思ってもなかったなァ。エースの時も驚いたもんだ」
『父さんの子供だって言えば即処刑台行きですからねー。私の牽制ももう効きません。念押しするみたいで悪いですけど、エースのことお願いします』
「わァってる。言っておくが、おれの船に乗るからにゃあおめェもおれの娘だからなァ」
『んー...自分で言うのもなんですけど、言うこと聞かないクソガキですよ？』
「グラララ...端から良い子はウチに居ねェよ。ここじゃあ末っ子だ、甘えとけェ」
随分信用してくれてるなー、エースの妹だからかな。これでも一応海軍なんだけども。
白ひげさんが許してくれても不死鳥さんたちがなぁ...。エースの家族と仲良くしたいけど、邪魔したい訳じゃないから。
それに、"白ひげ"は何よりも家族を大切にする人間。エースに何かあれば絶対に助けてくれる。まぁ、私が一番に助けに行くけど。どんな敵でもぶっ潰すけど。
ただ、その家族に私が含まれるなら話が変わる、かも。
今まで命の危機に陥ったことないから自分が助けられる想像が出来ないけど、今も危ないっちゃ危ないからなぁ。
「てめェも何か小せェ事でうじうじ悩んでやがんのかァ」
『悩んでないですよー、ちょっと考えてただけです。んじゃ、ここにいる間だけ家族ってことでお世話になります、オヤジさん』
「愛想だけは一丁前だなァ、ノース」
『自覚ありですねぇ。でも嘘じゃないだけ可愛いと思いません？』
「ハッ、可愛げしかねェなァ」
『わはは、愛されっ子の所以ですよ』
「愛されたかったのか、おめェは」
『さぁ...？どーなんでしょう』
▽
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作者名：えると。 | 作成日時：2022年9月2日 22時
