２９話 ページ30
─ノースside─
話がひと段落したからお暇した。甲板に出れば最初に居たクルーに加えて船内に居たクルーも集まってる。
お土産の前で騒いでるっぽいからお気に召してくれたのかな。エースの好きそうなものばっかだけど。
エースの所まで行けばほとんどの人に避けられた。なんだ、私は敵か？敵か。いやでも今は家族だぞ。期間限定のだけど。
避けないでくれたのはエースと不死鳥さんと銃の人と王子とリーゼントの人だけ。
『お土産足りた？』
「おう！三日は宴開けるぜ！それにしてもオレの好きなもんばっかだなー」
『全部エースのだからね。お酒はオヤジさんにだけど』
「おれらの分はないってか？」
『エースの残りでも食べてたらいーんじゃねーですか』
「ほんと腹立つガキだな。エースの妹じゃなきゃ殴ってるよい」
『もう蹴られましたが？殺されかけましたが？船壊したの許してねーぞです』
あっかんべーしたら頭鷲掴みにされた。オヤジさんと違うのはその手に力が込められてることですかねー。二回りも年下のガキにキレてんのはどこの鳥野郎だよ、羽むしるぞ。
不死鳥さんとバチバチしてたら銃の人に宥められた。首根っこ掴まれて。なんか扱い雑じゃない？
銃の人から抜け出してエースに抱き着いた。とりあえず鳥野郎ににっこり笑って薬指を立てといた。中指だと怒られるからね。
言っとくけども断じて馬鹿にしてるんじゃなくて怒ってるだけだから。不死鳥さんじゃなくて鳥野郎に怒ってるから。
「おい！人前でくっつくなよ！！」
『恥ずかしがり屋はなおってないんだねー』
「うるせェ！！」
「兄妹仲良いのは結構だが、オヤジとどう話がついたのか教えて貰えるか？」
またもや首根っこ掴んでエースから引き剝がしてきた銃の人。なんだ嫉妬か？
それにしても綺麗な顔だなー。パッと見女性にしか見えん。
名前も着てる服も異国のものっぽいし年齢よりも見た目が随分と若いな。訳アリ？
『あー、船に乗ってる間は白ひげさんの娘らしいんでどーぞよろしく！』
「「ええええ！？軽ッ！！！」」
「あ？ノースウチに入んのか？」
『まさか。私海軍だよ？バレたらしょっ引かれるかもねー。わはは』
「笑いごとじゃなくねェか？エースよりしっかりしてそうなのになァ」
『しっかりしてる人間が敵船に乗り込んだりしませんって。それに海軍内じゃ自由奔放だって有名なんですよ』
「そりゃあ自慢になんのか？」
『私は誇らしいですよ？』
「そっか...」
▽
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作者名：えると。 | 作成日時：2022年9月2日 22時
