30話 ページ31
─ノースside─
「あー、自己紹介がまだだったな。おれはサッチってんだ。こっちがイゾウでこっちがハルタ。他にも隊長があと11人で総勢1600人だ。何か質問あるか?」
『オヤジさんはいつから
「どういう意味だよい?」
『体調です。お酒止めさせた方が良いですよ?』
「言って止める人じゃねェんだよい。治療も碌に受けてくれねェ」
『あぁ...』
ここで聞くような事じゃなかったかな。反応的に病気ではなさそう、治る病なら意地でも治療させるだろう。見えないだけで結構衰弱してると思うんだけど原因は老いか。
そりゃそーだ。どんだけ強い人でも、一人の人間。私の3倍以上の人生を歩んでる。それまでに受けたダメージも私なんかとは比にならない。
寿命を迎えるまで健康体でいるのは難しいし今の時代じゃ戦死や病死の割合の方が高い。
私は医者じゃないしこの船の医者の方が余程優秀な上にナースの人達までいる。まぁ、飲み比べなら付き合えるし気休めくらいにはなるか。
『今夜宴にしません?パーッと飲みたいです』
「お、お前さんいける口かい?」
『飲み比べなら今のとこ無敗ですよー、何か賭けます?』
「ハハッ、海兵が賭博か?」
『仲間内だとお菓子とかですけど、上司相手ならガッツリお金賭けますねー。わはは』
「上司って...中将以上か?凄い奴相手にしてるな」
『主にじーちゃんと青雉さんですけどね。赤犬さんにバレるとめちゃくちゃ怒られます。あの人堅すぎるんですよねぇ...』
「海軍は思ったより暇なんだな」
『んや、私たちがサボってるだけですね』
そう言えば「何やってんだ」って顔を皆にされたけど、誰しも一度はサボったことあるでしょ。
海兵は優等生の集まりじゃないんだぞ。じーちゃんとクザンさんは実力と人望で許されてるだけなんだから。
とりあえず今夜はというか今夜も宴を開いてくれるらしいからイゾウさんと勝負の約束をした。
ついでにその場にいるクルーには大まかに自己紹介してよろしく言っといた。隊長たちと仲良く(?)してたからか割と好反応だった。嫌われてないみたいでよかったよかった。後は隊長だけでもきちんと挨拶しとかないとだなー。
しばらく話して解散になった。今はエースに船内を案内してもらうという幸せタイムです。
「こっちが──、ん?どうかしたか?」
『んー、血の味がするなーって』
「う"っ...悪かったよ」
『そこは素直なの可愛いなー』
「うるせー」
▽
8人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:えると。 | 作成日時:2022年9月2日 22時