２３話 ページ24
─ノースside─
『私が"不殺"だって知ってるのに攻撃するとか鳥野郎は人の心がないねー』
「海賊がそんな二つ名を信じて海軍を通すと思うかよい」
『それもそーだ』
「次はこっちの番だよい。白ひげ海賊団に何の用だ」
『兄に逢いに』
「兄...？」
予想外だっただろう鳥野郎が驚いてる隙にモビーディック号の甲板に飛んだ。後ろから声が聞こえるけど無視無視。豆でも食べてろ。
甲板に集まっていた隊長数名と隊員、全員で２７人か。一人の人間相手に随分警戒するんだな。
この中にエースはいない。エースの"声"を探せば案外近い、一個下の階にいるらしい。食事中っぽいけど昼前だからお腹減ったんだろうな。
久々に聞いたエースの声にニコニコしていれば武器を持ったクルーたちに囲まれてた。ま、当然の行動だね。
『微塵も歓迎されてないみたいでかなしー』
「自分から乗り込んでくるとは余程自信があるのか、ただの阿呆か。お前さんはどっちだろうな」
『鳥野郎にも似たような事言われたなー。敵視するのも分かるけどさ、まずは話を聞かない？』
チャキッ
『あ、聞かない？そっかー』
「兄が誰なのか言って見ろよい。確認できればオヤジに話を通してやる」
「いいの？マルコ。こんな感じでも強いよ」
「何かあればオレの責任だよい。いいから話せ。目的が分かれば処分できる」
『はは、怖いなー。兄はポートガス・D・エース、なんだけど...』
驚いたり動揺する隊員も中にはいるけど隊長らしい人等は全く信じてない表情してる。だろーね、そういう反応だと思ったよ。
だから鳥野郎に言う前に突入した。言ったところで通しはしないんだから。
会いづらい立場を選んだのは私だから多少の障害は仕方ない。でも会えないまま諦めて帰る訳はない。というか意地でも会う。エースが嫌がってても知らん。
『確認してくれるんでしょ？』
「生憎だがエースは今いねェんだよい。日を改めてくれるか」
『噓は良くないなぁー』
「...手足の拘束が条件だよい」
『やったー。んじゃ、拘束よろしく！』
「フツーそういう事自分から言わないよ。喜ぶのも変だね」
『へぇー。まぁ、死なずにエースに会えるなら何でもいーからなー』
大人しく座り込んで両腕を差し出せば剣を持った王子っぽい子(年齢不詳)に手枷を付けられる。
鳥野郎がエースを呼びに行ってくれてるらしい。案外話が分かるな、鳥頭じゃなかったか。
なんて、悪態付くのもやめないとなー。皆エースの家族だ。
▽
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作者名：えると。 | 作成日時：2022年9月2日 22時
