２２話 ページ23
─ノースside─
波の音に混ざってたくさんの"声"が聞こえてきた。
笑い声、焦った声、怒鳴り声、静かで重たい地震のような声。
すっかり目が覚めて顔に被せて日除けにしていた帽子を取った。海軍のだけど。帽子買おうかな。
視界には寝る前と変わらない青い空と青い鳥。
...あの鳥燃えてんな？？
「海軍がウチに何の用だよい」
『変な語尾の鳥だなぁ。きみみたいな鳥類見たことないんだけど何食べるの？豆好き？』
「ふざけてんのかよい？それとも相当なバカか？」
『失礼な鳥だなー。お腹減ったの？仲間探し？ごめんだけど私用事あるから構ってあげられ、ぐえっ！！』
捕まえずに丁寧に断ろうとしてるってのにこの鳥爪で首掴んできよった。
結構大きい鳥だから肉食だったんかな。ハットリは豆が好きだぞ。まぁ、きみ鳩じゃなさそうだもんな、ごめんな。
「質問に答えろよい。海軍が何の用だ」
『え、あーあ...鳥が人間になっちゃった』
「残念がってんじゃねェよい。鳥が喋ってる方がおかしいだろうよ」
『鳥はしゃべるよ、何言ってんの。んで、どちら様？何で上裸なの？変態？足どけてくんない？』
「質問してんのは、こっちだよい！！」
ガンッ！！！
『あぶなー...ん？あ、やべ。カティくんに怒られる。くそー、鳥野郎め』
首を押さえてた足を退けて貰ったと思ったら振り下ろしてきた。上げて下げるとはこのことか。
寝転がってる体勢から横に避けて後ろの小舟に飛び移った。顔面真横に足あったよ、恐ろしいね。
私は無傷だけどカティくん作の愛用の船の床に穴が空いた。は？万死。
初対面で攻撃してきて人の物壊す人どう思います？私嫌い。
ゾオン系トリトリの実、幻獣種。幻獣なだけあって初めて見たなー。燃える鳥とかかっこよ。
『酷いことするねー』
「テメェが質問に答えなかったんだろい」
《何してんだお前は。左見てみろ》
『？うお、モビー号じゃん。着いてたんだ』
鳥野郎に夢中で(腹立ってて)気付かなかったけどいつの間にか着いてたらしい。目の前にある。エースが居る船。
ウミが声掛けてくれなきゃ鳥野郎と一戦交えてたな。時間無駄にするとこだった。
「テメェやっぱりウチに用か。オヤジの首でも取りに来たのかよい」
『うわ、鳥野郎もクルーなの？えー...』
「オレを知らねェなんて海軍本部中将が聞いて呆れるよい。"不殺のノース"」
『まさか。そうは見えないって皮肉だよ。お初に、白ひげ海賊団１番隊隊長"不死鳥マルコ"』
▽
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作者名：えると。 | 作成日時：2022年9月2日 22時
