自由に生きようよ、ね【ONEPIECE】 (ページ20)

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１９話ページ20

─軍曹ちゃんside─

あの日、ノース中将の代理を務めさせてもらった日、帰ったら部屋に彼女はいませんでした。あんなに積まれていた書類も全てなくなっていて、机の上に小さい紙が1枚だけしか残ってませんでした。

"ごめんね。必ず戻るから待っててくれたら嬉しい"

謝るくらいなら行かないで下さい、なんて文句も今は言えません。いつになるかも分かりません。勝手に行ったくせに、何も言ってくれなかったくせに、本当に勝手な人です。私だって言いたいことがあるんですよ。

「私、中尉になりました。貴女には遠く及びませんが、少しでも貴女の隣に近づけたなら嬉しいです」

真っ先に貴女に伝えたかったんです。笑って褒めてくださると知ってますから。私が勝手に慕ってるだけです。一方的な憧憬を貴女は受け入れてくれました。私だけが特別だなんて思ってないです。でも、私知ってます。貴女が私を付き人に選んでくれたこと。だから、やっぱり少しだけ自惚れることにします。

「貴女がいきなりどこかに行っちゃうのなんていつものことでした。今更何を言われたって全部受け止めますよ、私は貴女の付き人なんです。.....待ってますから、どうかご無事で」

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─クザンside─

「はぁー、ノースちゃんの行動力にはホント驚かされんなァ」

仕事をやる気なくて違うとこでサｂ、あー、じゃなくて、休憩してから帰ったらいつ置いたか知らねぇけどちっさい紙がおれの机にあった。部下はおれがいること確認してから入るしサカズキやセンゴクさんは怒りながらおれを探す。消去法でいけばノースちゃんからしかありえねぇんだけど。

「"行ってきます"ねぇ...直接言ってくれりゃいーのに」

寂しいじゃねーの、なんて呟きが案外冗談じゃなかったりすんのが心底嫌になる。このまま海賊にでもなってくれなんて、あの子が逃げる訳ねぇのに。

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─ノースside─

『軍曹ちゃん怒ってるかな...クザンさんもまさか今日旅立つとは思わなかっただろーなぁ』

部屋で一時間くらい寝た後すぐに海に出た。荷物はお金と水と食べものと毛布と本くらい。まぁ、ちょっとした家出と同じだよね。今すんごいワクワクしてる。愛用の船はカティくん作だから丈夫だし雨風しのげる機能付きで最高。秘密基地みたいで好き。
空はもう日が沈んで星空が広がっていて綺麗だ。澄んだ空気を吸い込んで大きく吐き出す。

『さてと、エースに逢いに行くか！』

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