二十四話 ページ26
Aはビンゴカードをベットの上で眺めていた。傍らには学園の制服、もう片方にはアズールから渡された強力の解熱剤。
主に、アズールの優秀な用心棒、リーチ兄弟の中でもやっかいなフロイドによって俺の体調が下されたのだが。
アズールの薬の威力がすごいのか、思いのほかすぐに治った。
「あと五個、か……」
学園長から渡されたビンゴカードをよくよく見ると、縦から、ハーツラビュル寮。サバナクロー寮、と順序良く並べられており、今朝渡されたころにはそのうちの前から二つにそれぞれの寮長からのスタンプやらが押されていた。
まともに寮に貢献していないのに、何故、とアズールに聞いたところ、サバナクロー寮のレオナさんはやはり俺が助けたチェカの叔父にあたる存在らしく、寮長会議が終わった直後にお礼と称してスタンプを押したそうだ。
ハーツラビュルに関しては、俺とリドルさんは初対面だったのだが、俺が不可解な魔法を従えている以上、ある一種の保険としてだろう。渋々スタンプを押してくれた。
全七寮あるうちの二つが集まった。あれ、これ案外楽なのでは？と思う頃にバン！と勢いよく扉が開く。
「おっはよ〜」
そうテンションを高めにそう言ってくるのは、体調を崩した要因のフロイドだった。
「げっ」
喉から自然に声が出てくる。その様子を見たフロイドはどこかニコニコしながらも焦らすように言った。
「ねぇ、これからモストロ・ラウンジの準備するから手伝ってよぉ〜。そんなんじゃ、アズールからスタンプ貰えねぇよ？」
「おい、時間見て言ってんのか？朝四時だぜ？フロイドの店の開店は確か放課後だろ？なんで今やんなきゃいけねぇんだよ」
「だーからその開店準備に合わせられるように、今前もって準備するのぉー。さ、行くよぉ〜」
そう言ってフロイドは俺の首根っこのシャツを掴んで強引に俺を厨房に立たせた。
「おやおや誰かと思えばAさんではないですか。朝早くから手伝わせてしまってすみません」
「本当にな」
「ほら、グチグチ言ってないで手伝うー」
ぼそッと悪態を吐くと、地獄耳なのか何なのかフロイドがゴっ！と俺の頭を叩いてきた。痛みに悶絶しているよそに、俺の周りを取り囲んでいた植物達は、優秀なのか何なのかスムーズに皿を洗っては棚に戻しを繰り返していた。
「あら、どっかの誰かさんと違ってこの子たちは優秀ですねぇ〜」
ジェイドが顔を悪くしてこちらをニヤニヤと見ている。
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レオ - とっても面白いです。続きが気になります。 (1月4日 8時) (
レス) @page48 id: 8c9a5c91e3 (このIDを非表示/違反報告)
夕闇柳 - たまたま30話見ていてカリムがカルムになっていました。 (11月25日 8時) (レス) @page31 id: a9dd4c9262 (このIDを非表示/違反報告)
ウイ(プロフ) - ふぎょあ、完結されてるんですね…この作品、めちゃ好きです。まだ占ツクにログインしてなかった頃、読みまくってました笑 ねっとり様に届くか分かりませんが、更新、お疲れ様でした。ほんとに本当にこの作品がこれからも大好きです！！！！！！ (6月26日 7時) (レス) @page48 id: 154e73901c (このIDを非表示/違反報告)
ねっとり - 雨中猫さん» アカウントを作っていなので急遽この形ですが作者です。コメントありがとうございます。「命に嫌われている」素敵ですよね、番外編でも他の歌とかも書いてみたいので気長に待ってくれると嬉しいです (2022年2月5日 23時) (レス) id: ad0790befa (このIDを非表示/違反報告)
雨中猫 - 主人公ちゃんに命に嫌われている歌ってもらいたいです！ (2022年2月4日 19時) (レス) @page27 id: 79b86edfa1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ねっとり | 作成日時：2022年1月20日 16時
